千切り大根干し  宮崎の冬の風物詩

大根やぐらのことを12月20日に書きました。それは大掛かりなやぐらに、大根を一本のまま干すことでした。漬物用です。

今日はやぐらはなくて、手で届くくらいの台に切った大根を干す、「千切り大根干し」のことです。

f:id:tonji44:20190112171005j:plain畑に出来た「千切り大根干し」。せんぎりだいこんほし。

今の季節は田舎に行くと必ずどこかで見かけます。

遠くにいくつもの干し台。

f:id:tonji44:20190112172156j:plain

こちらは長~い。

f:id:tonji44:20190112172124j:plain

何が干してあるかというと細切りにした大根。

f:id:tonji44:20190112172355j:plain

f:id:tonji44:20190112174757j:plain


これは商品になって売っています。一袋100円。

f:id:tonji44:20190112172834j:plain

宮崎県は日本一の生産量。

これを干すことの一番の苦労は天候だそうです。寒くて日が照って、西風が吹く日。

今日は少し雨が降ったから、干すのは無理だったかな。苦労が多い。

 

 

 

ウミウ  日南海岸

日南に行ってきました。

私の住む宮崎市から日南市に行くには二つのコースがあります。

海岸道路と山越え道路です。

通勤する人は山越え道路が時間が早いといって、山越えの人が多いと聞きました。

私は海岸道路が好きです。

だから今回も海岸道路を選びました。

f:id:tonji44:20190111200615j:plain

海を眺めながら走りますからとても気持ちがいいです。

f:id:tonji44:20190111200726j:plain

宮崎市から日南市の間にも、岩礁が近くにあって、海鳥がいることがありますから、そのようなところで車を止めて岩を見ます。

この中央の岩礁にウミウが止まっています。

f:id:tonji44:20190111202027j:plain

 

f:id:tonji44:20190111201912j:plain

 

f:id:tonji44:20190111201724j:plain

こちらの岩にも。

f:id:tonji44:20190111204019j:plain

ウミウは宮崎では冬にやってきます。カワウは多すぎて害鳥扱いですが、ウミウは数えるほどしかやってきません。

ウミウとカワウはそっくりで見分けるのが難しいです。

嘴の付け根のところの黄色の入り方で見分けますが、今回は遠すぎてそこまでわかりません。私には、海にいるかウミウかな・・・。

以前この岩にいるウミウの中にカワウが混ざっているのを見つけた人がいました。カメラの精度がよすぎ!

これはウミウ?

f:id:tonji44:20190111202141j:plain

冬の晴れた日は、海岸道路をゆっくり走り、時々止まって海を見たり、魚釣りの人がいる岩場に下りてみたり。それが楽しいです。

 

 

サツマサンキライ  今花が咲く

サツマサンキライは南方系の植物で、宮崎県が北限のようです。

宮崎でもなかなか見ることはありませんが、日南市の鵜戸神宮に行く小さな道にありました。

つる性の植物でほかの木に巻き付いて伸びあがりますが、途中で垂れてきます。

f:id:tonji44:20190109200908j:plain

花が咲いていました。1月のこの時期に花。珍しい。

f:id:tonji44:20190109201101j:plain

f:id:tonji44:20190109201124j:plain

花は放射状の真ん丸。

f:id:tonji44:20190109201204j:plain

 

葉はサルトリイバラよりちょっとだけ大きくて縦長。 

f:id:tonji44:20190109201422j:plain

サルトリイバラはこのサツマサンキライとそっくりです。道路端にあって木に絡みついていて・・・。

しかし全然違う所もあります。

違いを見ようと思って近くを探しましたらやっと見つけました。下の写真。

f:id:tonji44:20190109203051j:plain


葉が枯れかけています。そういう時期なのです。

それに比べてサツマサンキライは葉が青々としていて花も真っ盛り。

 

私は鹿児島育ちですが、小さいころは母から

「かからんだごを作るから、かからん葉を取っきっくいやい」

と頼まれて取りに行っていました。

かからん葉というのはサルトリイバラの葉のことで、「かからん」とは「触らない」という鹿児島弁です。棘がありますから触ったら痛いです。だから触らない。サルが捕えられるくらいですから。猿獲り茨。

「だご」は団子です。葉の半分に団子の材料を載せて、葉を折り返して包んだ団子。

今思い返しますと、サルトリイバラの葉だったとばかり思っていましたが、もしかすると、サツマサンキライの葉だったのかもしれません。こちらの方が少し大きくて長めで包みやすい。多分両方の植物があったと思います。区別していなかったのかも。

私が育ったのは薩摩半島の南の海辺でしたから。今の時季に団子を作るならサルトリイバラの葉は枯れて使えません。

柏餅の柏の葉の代用と書いてあるものがありましたが、私の感じでは全然別の団子です。まず、色が違う。柏餅は白い。かからん団子は濃い緑色。それはヨモギの葉が擦り込んであるから。

昔ながらの「かからんだご」が食べたいなあ。

 

イカルチドリ 広い河川敷に

昨日日南市に行った帰り、北郷の河川敷に作られた運動場に寄ってみました。

ツグミとかいるのかなあと思いましたが、いたのはこの鳥2羽。

土の中の虫を食べているようです。

f:id:tonji44:20190109092548j:plain

私に気づいて此方を向きました。

あなた目はどこにあるの?

f:id:tonji44:20190109092753j:plain

割と大きいチドリです。

イカルチドリ。

f:id:tonji44:20190109092902j:plain

そこは海岸から離れた広渡川の中流域。場所からしてイカルチドリですが、よく間違うコチドリは目のアイラインが金色ではっきりしています。これはぼんやりだからイカルチドリ。くちばしが長いので英名はLong-billed  Plover。

留鳥の割にはあまり出会いません。

河原で繁殖するのですが、その時期河原を歩いているとイカルチドリが偽傷行動をすることがあります。腹ばいになって羽をばたばたします。人が卵やヒナに近づかないように注意をそらすのです。そんな場面に何回か遭遇しましたが、そんな時はそっと後退して別なところに行くようにしています。

親は子育てに必死。

 

フウトウカズラ  海岸から遠い公園にも

公園の外周でフウトウカズラを見ました。

海岸林の中でよく見ますが、ここは平和台公園。随分海から離れています。

 

倒木に絡みついていました。

f:id:tonji44:20190108203721j:plain

こちらの木は古木。

f:id:tonji44:20190108203805j:plain

 

赤い実が垂れ下がっていてきれいです。

f:id:tonji44:20190108203832j:plain

実の大きさは思ったほど大きくなくて、これくらい。5~6センチかな。

f:id:tonji44:20190108204051j:plain

コショウにそっくりだそうですが、そもそもコショウの木を見たことがありません。

 

花は4~5月頃咲きます。鉛筆の半分くらいの黄色いものがいっぱいぶら下がります。それが花です。

また、葉は芳香がすると書いてありましたが、臭いを嗅ぐのを忘れていました。
今度出会った時嗅いで見ます。

 

 

 

シロハラ 木の葉返しの術

冬になると、我が家の庭には毎年シロハラがやってきます。ところが今年はどうしたことかやってきません。

友人にその話をすると、「今年はシロハラもツグミもやたらと少ない・・・」だそうです。

それではと思って、今日はいい天気なので、近場で一番いそうな公園に行ってみました。

宮崎市の平和台公園です。「八紘一宇」と書かれた大きな塔が立っています。

その中に「はにわ園」というちょっと薄暗い所があって、そこならいそうなのです。

f:id:tonji44:20190107213454j:plain

はにわ橋を渡るとはにわ園。もうずいぶん昔に作られたのではにわもそれっぽくなっています。

f:id:tonji44:20190107213643j:plain

いましたよ、画面中央はにわの手前。黒っぽい上半分。

f:id:tonji44:20190107213813j:plain

 

分かりにくいので回り込むと。確かにシロハラ。

f:id:tonji44:20190107213836j:plain

 

ところがこの後どこかへ行ってしまいました。

 

平和台公園はとても広いので、他の鳥や植物を見て回って、1時間くらいして戻ってみると、今度は見やすいところに出てきていました。

背中。いい色ですね。

f:id:tonji44:20190107214005j:plain

 

お腹が白いからシロハラ。

f:id:tonji44:20190107214039j:plain



この後また森の中に入ってしまいました。森の中にいるのが音で分かるのです。

ガサッ、ガサッともちょっと違うけど、そのような落葉をひっくり返す音がします。

落葉をひっくり返して、虫やミミズを探しているのです。

これを「シロハラの木の葉返し」と呼びます。面白い。

静かな公園に行ったら森の中からこの音が聞こえないか耳を澄ましてみてください。

ひっくり返している姿も見られるかもしれません。

 

ミコアイサ♂  宮崎では珍しい

ミコアイサのオスが来ているということで見に行ってきました。

メスは何回か近くの池で見ましたが、宮崎でオス見るのは初めてでした。

f:id:tonji44:20190106212847j:plain

カモがいっぱいいる池のカモの向こう側。

オスは目立ちます。パンダガモ。

だけど遠いのでメスがよくわかりません。

近づいてもこのくらい。

f:id:tonji44:20190106213042j:plain

写真を拡大してみました。右はメス。

f:id:tonji44:20190106213134j:plain

メスはこのほかにも数羽いるようです。

f:id:tonji44:20190106213306j:plain

f:id:tonji44:20190106213556j:plain

今回は近くで写真が撮れませんでした。それで数年前、熊本県まで行って撮ってきたミコアイサのオスの写真です。

f:id:tonji44:20190106213734j:plain

面白い顔ですねえ。巫女さんの白装束に例えてミコだそうです。

ミコアイサは宮崎では珍しいですが、東京などは多くて、皇居のお堀にもいるとか。

この鳥もそのうち多くなるかもしれません。

例えばオシドリは、今では私の家から歩いて10分の池にいますが、昔は2時間かけて山奥の川まで見に行ったことがある位ですから。

時代とともに鳥の様相も変わります。

 

 

ホトケノザ  お茶畑の横にいっぱい!

川南町の台地を歩きました。畑が広がっていますが、ほとんどの畑には今は何も植えられていません。

その中にポツンと緑の畑。お茶畑。

落葉樹の中にポツンと照葉樹がある感じ。

f:id:tonji44:20190105110300j:plain

 

 

そのお茶畑の周りにはぐるっと草が生えています。

そのほとんどはホトケノザ。

f:id:tonji44:20190105110337j:plain

 

ホトケノザはどこにでも生えています。道端でも公園でも。

f:id:tonji44:20190105111221j:plain

 

花はよく見るととても綺麗です。面白い顔というか。

f:id:tonji44:20190105111329j:plain

なぜ「仏の座」?

f:id:tonji44:20190105112208j:plain

この四角い茎をぐるっと巻いている葉の上に花が咲きますから、蓮の花の台座に座っておられる仏様を連想してつけられたようです。いい名前を貰いました。

別名が三階草(サンガイグサ)だそうですが、こちらの名前もぴったりの感じですけど。

 

春の七草の中にホトケノザがあります。セリナズナ、ゴギョウハコベラホトケノザ、スズナスズシロ。

このホトケノザとは違って食べられません。春の七草のホトケノザは、コオニタビラコという別の植物です。

 





 

 

トモエガモ  変な顔

私の家から30分くらいのところにある小さな溜池。

そこには毎年たくさんのカモがやってきます。

池のふちに人家があるので、猟ができないからだと思います。

 

昨日も沢山のカモが入っていました。

f:id:tonji44:20190103211014j:plain

この上の写真の中にトモエガモが1羽入っています。探すのは無理かなあ。

 

トモエガモは北から越冬のために他のカモたちと一緒に渡ってきます。

春になると帰っていきます。

トモエとは巴のことです。家紋にも巴紋というのがあります。三つ巴とか。

太鼓も三つ巴が多いようです。

その巴に顔の紋様が似ているということでトモエガモ。

f:id:tonji44:20190103211423j:plain

変わった紋様ですねえ。オスだけですけど。

f:id:tonji44:20190103211454j:plain手前がメスです。ほかのカモより一回り小さい。

絶滅危惧種ですが最近は多くなってきている気がします。

最初の写真のここにトモエガモがいました。

探すのも大変です。

f:id:tonji44:20190103213130j:plain

沢山のカモの中にもう1羽変な顔のカモがいましたよ。君だ~れ?

f:id:tonji44:20190104081347j:plain

 

 

正月の砂浜  ダイゼン

宮崎の正月はとてもいい天気が続いています。

陽気に誘われて、海を見に行ってきました。

波も穏やか、砂浜がどこまでも続いています。

丁度お昼なので、車の中でパンとコーヒーで昼食。その後砂浜を歩いてみました。

寒くありません。

f:id:tonji44:20190103154150j:plain

波打ち際に鳥が並んでいます。

f:id:tonji44:20190103154213j:plain

セグロカモメとダイゼンです。

f:id:tonji44:20190103154345j:plain

セグロカモメ。

f:id:tonji44:20190103154453j:plain

ダイゼンはチドリの仲間です。砂浜にいます。チドリの中でも大きい方です。

f:id:tonji44:20190103154824j:plain

小太りダイゼン。

f:id:tonji44:20190103154847j:plain

 

海に浮いている鳥がいました。ウミウかと思いましたがカワウのようです。

f:id:tonji44:20190103154917j:plain

 

f:id:tonji44:20190103155101j:plain波の写真を撮ろうと思って、ギリギリ波打ち際まで行きましたら、この写真撮った後大波が来て靴がびょぬれ。
こういうこともあろうかと思って、靴と替えの靴下は車の中にいつも置いていますので大丈夫。

 

最後に正月の砂浜の砂。鳥の足跡。

f:id:tonji44:20190103155434j:plain

昨年私の拙いブログを読んでいただいた方に感謝します。

 

 

ツバキ  藪椿・静かな田舎道

子供のころ隣町に行く道には椿の花が落ちていました。

昔の道は土の道でした。

今は舗装道路になって、土の道が殆どなくなりました。

落ちた椿は土が似合うのですけど。

 

先日田舎の道を歩いていたら、道路わきにツバキの花が落ちていました。

落ち椿。

舗装道路の脇です。それでも懐かしい。

f:id:tonji44:20181231114425j:plain

 

 

見上げるとツバキの花が、少しだけ。

f:id:tonji44:20181231114443j:plain

 

昔からある自然の藪椿です。照葉樹の森に行くと結構ありますから珍しいわけではありません。

f:id:tonji44:20181231114500j:plain

 

f:id:tonji44:20181231114528j:plain

公園や庭園には改良された豪華な椿がたくさんあります。

だけど日本にはこの藪椿が一番似合うような気がするのですけど。

 

万葉集にある歌

 巨勢山(こせやま)のつらつら椿つらつらに見つつ思(しの)はな巨勢の春野を

 あしひきの山椿咲く、八峯(やつを)越え、鹿(しし)待つ君が、斎(いは)ひ妻かも

マミジロタヒバリ  姿勢がいいはずなんだけど

一ツ瀬川の流域の畑にヒバリのような鳥がいました。

ヒバリより明るい色ですから別な鳥です。

f:id:tonji44:20181230223346j:plain

近づいてみるとマミジロタヒバリのようです。

だけどマミジロタヒバリの私のイメージは、すっくと立って胸をそらしている紳士です。

これは首がすくんでいます。もしかしたらコマミジロタヒバリかなあと思ってよく観察しました。

f:id:tonji44:20181230223648j:plain

f:id:tonji44:20181230223712j:plain

マミジロのマミは眉のことです。眉が白いタヒバリ。これはマミが立派。

f:id:tonji44:20181230224345j:plain

近くに別のマミジロタヒバリがいました。

マミは細いのがうっすらと。

f:id:tonji44:20181230224537j:plain

こっちは左側。嘴が細いようにもあります。

f:id:tonji44:20181230224623j:plain

どうしてこんなことにこだわるかと言いますと、マミジロタヒバリにそっくりだけど、ちょっと細めのコマミジロタヒバリというのがいるのです。それでマミジロタヒバリがいたらコマミジロではないかと思いながら見るのです。ところがこれが私にはなかなか難しい。

眉の明瞭さ加減、嘴の大きさ、肩羽の軸班の違い、後趾の長さ・・・

いつも迷います。なんだか中間型がいるのではないかと思うくらい。

下の写真のように胸を張って「僕はマミジロタヒバリです」という姿勢なら分かりやすいのですが。

f:id:tonji44:20181230230401j:plain

写真倉庫から

 

シモバシラ・霜柱  氷の芸術

今日28日の朝、シモバシラの霜柱を見に行ってきました。

実は19日にも行ったのですがその時は出来ていませんでした。

 

シモバシラという植物は秋の初めに花を咲かせます。

それが枯れて、今頃は枯れた茎だけになります。

その根にどういうわけか霜柱が立つのです。

不思議です。

付近どこにも霜柱は立っていないのに、そこにだけ立つていました。

f:id:tonji44:20181228205935j:plain

そこは標高千m位の山の上の道路わき。

北側斜面ですから、今朝は北風がビュンビュン舞い上がってきて寒いこと寒いこと。

 

枯れたシモバシラの茎。

f:id:tonji44:20181228210213j:plain

 

その根にこのように霜柱が立ちます。

f:id:tonji44:20181228210301j:plain

霜柱にはいろいろの形があります。

f:id:tonji44:20181228210334j:plain

 

氷の芸術作品。

f:id:tonji44:20181228211419j:plain

 

f:id:tonji44:20181228210436j:plain

f:id:tonji44:20181228210525j:plain

霜柱の立つ特別な植物だから、シモバシラというそのままの名前がついたのですね。

今日の霜柱は、それほど大きく立ち上がっていませんでした。今夜は冷えるようですから、明日の朝はすごいかも。だけど寒かったからもう行かない。

 



 

千畑(ちばたけ)潜水橋と千畑古墳

千田(ちだ)潜水橋のたもとで、その上流にもう一つ潜水橋があることを教えてもらいました。

車で10分も走ったらありました。

まずその橋のたもとに石碑。

f:id:tonji44:20181227174932j:plain

そこは昔、船で人を渡す渡し場だったようです。

千畑と書いて、「ちばたけ」と読みます。

そこにあった千畑潜水橋。

f:id:tonji44:20181227175202j:plain

あらまたどうしたことでしょう。橋が壊れています。多分今年の台風のせいでしょう。壊れることがあるのですね。びっくり。

f:id:tonji44:20181227175256j:plain

 

この橋のこちら側は千畑集落。結構農家が並んでいます。ビニールハウスも沢山あります。

その集落の中に看板を見つけました。千畑古墳まで200m。初めて聞いた古墳の名前です。行ってみました。

f:id:tonji44:20181227185321j:plain

 

土が盛られた古墳があるのかと思いましたが違いました。この階段を上って行くようです。

f:id:tonji44:20181227185656j:plain

 

洞窟のような入口が見えてきました。

f:id:tonji44:20181227185609j:plain

 

入り口の上は巨大な石。この入り口の石の切り方からしてこれは本格的。

f:id:tonji44:20181227185805j:plain

 

入り口は屈まないと入れません。

巨石で組まれています。どんなにして運んだのでしょう。奥には広い部屋があるようです。

f:id:tonji44:20181227190135j:plain

f:id:tonji44:20181227190152j:plain

下の写真。奥の部屋。ここは玄室。死者が埋葬してあった部屋。

幅も高さも3m位。広くてとても立派です。

壁の石組がすごい。

f:id:tonji44:20181227190214j:plain

天井は巨大な石の板。

f:id:tonji44:20181227190302j:plain

 

中から入り口を写しました。このような立派な横穴式石室墳は初めて見ました。そしてこんなに自由に入れるなんて感動。

f:id:tonji44:20181227194626j:plain



帰ってからこの千畑古墳について調べてみました。
この付近は一ツ瀬川を挟んで、南西の台地が西都原古墳群、そして北東側の台地は茶臼原古墳群です。この千畑古墳はその真ん中にあって、茶臼原古墳群の川側の切り立ったところを利用して作られた前方後円墳だそうです。その中核がこの石室なのでしょう。
6世紀末にこの付近を治めていた首長の墓なのでしょう。

 

その頃、この付近で人間のどんなドラマがあったのでしょう。

住む所と食べるものの確保、誕生.、戦いがあって和があって、

病があって、祈って祈って祈って、そして死・・・悲喜こもごものドラマ。

そして今、命の跡は「無」。すべて「無」


そこを出て付近を散歩しました。

前方後円墳の形はどこか、木が鬱蒼と茂っていて分かりませんでした。

 

小さな池がありました。
池の土手にリンドウの花。今の季節に?

f:id:tonji44:20181227192159j:plain

ぽかぽか陽気の日の出来事でした。



 

 

 

 

千田潜水橋(ちだせんすいきょう)と「和合の心得」

潜水橋というのがあります。本格的な橋ではなくて、簡易な橋です。

川を渡るための最低限の設備しか作ってありません。それでも車が渡ります。

「潜水」というからには水の中に潜ります。

大雨が降って川が増水すると沈んでしまいます。だから潜水です。「もぐり橋」と呼んでいるところもあります。

車が通ると人とも交差できません。人が渡っているときは、その人が渡り終えるまで車は待っています。
なんだかのどかですから私は好きです。

 

西都市にもそんな潜水橋があります。一ツ瀬川の橋です。

f:id:tonji44:20181226212000j:plain

 

f:id:tonji44:20181226212029j:plain

欄干はなくて、白い線が引いてあるだけです。怖い!

車1台何とか通れます。

f:id:tonji44:20181226225855j:plain

 

今までは堤防の上から眺めるだけでしたが、渡ってみようと思って車で渡りました。
渡り終わったところに、石碑が立っていました。黄色の矢印。

f:id:tonji44:20181226212057j:plain


この潜水橋の名前が知りたかったので、その石碑に橋の名前が書いてあるかと思って近づきました。ところが書いてあったのは橋の名前ではなくて文章でした。

f:id:tonji44:20181226212154j:plain

 

和合の碑・・・和合の心得

f:id:tonji44:20181226223849j:plain



内容を読んでびっくりしました。

なんだか私の胸にグサッとくる文でした。

例えば 

1、若し自分が、過ちで生じた不都合は、素直に認め反省すべし

 

1、自分が、犯した不都合を正当化するは、愚かなり

  生涯良心の呵責にさいなまれて生きねばならぬ

 

1、自分の思い込みや感情のみで、物事を解するなかれ 

  過ちや誤解を生ずることもある

 

これを読むと、なんと私の人生が自分中心だったのだろうと赤面の至り。

 

誰が建てた碑で、誰の文だろうかと思って碑の横やら裏も見ましたが書いてありませんでした。

この橋の名前とこの石碑のことを、渡ってくる人に聞こうと思って碑の横に佇んでおりました。師走の天気のいい日で、ぽかぽかの陽が降り注いでおりました。

川のこちら側は家が何軒も見えますが、小さな集落のようです。だから橋を渡ってくる人は少ないようです。

その間河原に下りて橋を眺めたり。

f:id:tonji44:20181226224936j:plain

 

しばらくして1台の軽自動車が潜水橋を渡ってきましたので安堵しました。

手を挙げて停まってもらいました。

運転していたのは若い女性で、助手席にはおばあちゃんが乗っておられました。

運転席の女性に

「すみませんがこの橋の名前を知りたいのですが」

と聞きましたら

「ちだせんすいきょうです。せんだと書いてちだと読みます」

と教えてくださいました。

この渡ったところの集落が千田と言うらしい。

ついでに

「すごい文章が書いてあるのですけど、この石碑は何ですか」

「うちのじいちゃんが建てた石碑です。全部自費で建てたんですよ」

びっくりしました。なんという偶然。私がたまたま止めたのが、私が知りたかった石碑を作った人のお孫さん?お孫さんのお嫁さん?の車。

 

「おじいちゃんが文章を作りましたが、私たちも入ってあっちがいいとかこっちがいいとか言いあって作ったのですよ」

「すごい文章でびっくりしました。おじいちゃんは何歳ですか」

「91歳で今も元気です。ずっとこの千田で親の跡を継いで農業をしてきました」

「石碑を作った人のご家族とここで会うことができたのも何かの縁、すみませんが記念にそのおじいちゃんの名前を聞かせていただけませんか」

「いいですよ、書きましょうか」と言って私の差し出した手帳に書いて下さいました。

その人の名は

隈江和男(くまえかずお)さん

市井の人。なんだかすごい人がいたもんだ。

 

「もうすこし上流には、千畑(ちばたけ)潜水橋というのもありますよ」

その日はいい人と巡り会って清々しい気分。

次に行ったのは千畑潜水橋、そしてそこの近くにあった千畑古墳。まだまだ県内には知らないところがいっぱい。