サツマサンキライは南方系の植物で、宮崎県が北限のようです。
宮崎でもなかなか見ることはありませんが、日南市の鵜戸神宮に行く小さな道にありました。
つる性の植物でほかの木に巻き付いて伸びあがりますが、途中で垂れてきます。
花が咲いていました。1月のこの時期に花。珍しい。
花は放射状の真ん丸。
葉はサルトリイバラよりちょっとだけ大きくて縦長。
サルトリイバラはこのサツマサンキライとそっくりです。道路端にあって木に絡みついていて・・・。
しかし全然違う所もあります。
違いを見ようと思って近くを探しましたらやっと見つけました。下の写真。
葉が枯れかけています。そういう時期なのです。
それに比べてサツマサンキライは葉が青々としていて花も真っ盛り。
私は鹿児島育ちですが、小さいころは母から
「かからんだごを作るから、かからん葉を取っきっくいやい」
と頼まれて取りに行っていました。
かからん葉というのはサルトリイバラの葉のことで、「かからん」とは「触らない」という鹿児島弁です。棘がありますから触ったら痛いです。だから触らない。サルが捕えられるくらいですから。猿獲り茨。
「だご」は団子です。葉の半分に団子の材料を載せて、葉を折り返して包んだ団子。
今思い返しますと、サルトリイバラの葉だったとばかり思っていましたが、もしかすると、サツマサンキライの葉だったのかもしれません。こちらの方が少し大きくて長めで包みやすい。多分両方の植物があったと思います。区別していなかったのかも。
私が育ったのは薩摩半島の南の海辺でしたから。今の時季に団子を作るならサルトリイバラの葉は枯れて使えません。
柏餅の柏の葉の代用と書いてあるものがありましたが、私の感じでは全然別の団子です。まず、色が違う。柏餅は白い。かからん団子は濃い緑色。それはヨモギの葉が擦り込んであるから。
昔ながらの「かからんだご」が食べたいなあ。