オニヤンマ 車で渡れる川

昨日のことです。

暑いので山の上に行こうと思って鰐塚山に登ってきました。

鰐塚山は1,118メートルあります。結構高い山です。家から30分で登り口に到着します。歩いて登るのではありません。この山のてっぺんはテレビ塔、無線塔がいくつもあるので、その保守のため舗装道路が頂上まで続いているのです。

裾野に差し掛かりました。頂上は車で直進しますが、右に折れて川を越えたら、歩いて登る登山口です。
試しに少しだけ右折してみます。川の中が舗装してあり、車でじゃぶじゃぶ渡れるようになっています。

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そのじゃぶじゃぶの川の中で車を止めてみました。

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水が澄んでとってもきれいです。上流を見ると、大きな石の上に大型のトンボが止まっています。

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オニヤンマです。じっと見ていると、時々飛んでその付近をパトロールして、また同じ石に戻ります。日がな一日それを繰り前している感じ。

アオカモメヅル 小さな池でひっそりと咲く

もうすぐ稲刈りが始まるくらい頭(こうべ)を垂れた稲穂。

そんな田んぼの中にある小さな溜池の周りを歩いていると、ガマの穂がちょうどよい具合に育っていました。ガマの穂はまるでフランクフルトのそっくりさん。

とその脇に見慣れないつる性の植物。ガマの葉に巻き付いています。

その植物は、小さくとがった固そうな葉が対生についています。この葉の感じからして

カモメヅルの仲間のようです。カモメとはその葉が対生に着いている状況からカモメが羽を広げたさまを想像したのでしょうか?

調べてみるとアオカモメヅルのようです。ここでしか見たことがありません。

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小さな花が咲いていますが開き切ってはいないようです。

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開いている花をやっと見つけました。池に落ちないように用心しながら近づいてみました。

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これでもまだ満開ではなさそうです。

葉と花の大きさはこのくらいです。

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葉と花がいかに小さいか。

アオカモメヅルだと思いますが、間違っていたら教えてください。

ついでにフランクフルトそっくりさんの写真です。

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このガマの穂がかわいいので、以前2本切って帰って花瓶にさし、床の間に飾っていたことがあります。

ある日見たらその穂が爆発したように広がって、どうしようもない位大量の綿毛が噴出。床の間が大変なことになっていました。ということでガマの穂は飾らないこと。

 

 

ヒメナミキ 海辺の湿地にて

海辺の湿地に通ずる小道。

けもの道みたいだけど本当は魚釣りの人がつけた小道。

そこをなんとなく歩いていると小さな花をつけた丈2、30センチの植物を見つけました。

しゃがみ込んでよーく見るとヒメナミキのようです。
これも花が小さすぎて写真を撮って拡大して見ました。

水玉模様の感じがいいですね。

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もう少し拡大。

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そこら付近だけいっぱい生えています。

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この植物もどこにでもはないみたいで、宮崎県では絶滅危惧Ⅱ類(VU-r)になっています。

どうりでその付近を探しても他には見つけることができませんでした。

うまく生き残ってくれますように!

 

 

 

コフキコガネ 扇子の角(つの)はなーに?

シルビアシジミに出会った海浜の、松林よりの草地に変なコガネムシがいました。

何が変かというと角です。まるで扇を広げたよう。

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虫の大きさはセンチコガネよりだいぶ大きいです。3センチ位。

横から見ると・・・扇子が閉じちゃった。

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図鑑で調べるとどうもコフキコガネのようにあります。初めて見ました。付近にほかにもにいるか探しましたが、見つけることはできませんでした。

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まだ知らない虫や花がいっぱい。

暑さに負けず野原を歩いてみるものですね。

熱中症にならないように水持参で。そして時々車に戻って冷房にあたります。

 

 

シルビアシジミ ハマゴウの花の蜜を吸う?

シジミチョウというのは貝のシジミの殻を開いたくらいの大きさの蝶という意味でしょうか。

シジミチョウにはいろいろの種類がありますが、小さくて肉眼ではなかなか見分けがつきません。そこで望遠レンズの出番です。私がチョウやトンボを撮るとき主に使うのは70-300ミリのズームレンズです。

きょう見たシジミチョウのことを書きます。

海岸線の砂浜、砂浜から草地に変わった付近にいたシジミチョウです。

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上よりちょっと色の濃いシジミチョウ。

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ヤマトシジミという、うちの庭にいつもいる普通のシジミチョウと似ていますが、黒点の入り方がちょっと違うのです。

シルビアシジミだと思います。

このシルビアシジミはなかなか見ることができませんので、きょう見つけたときは一人で大喜びです。(環境省レッドデータ絶滅危惧1B)

そういうことで砂浜にしゃがみこんで写真を撮りました。暑いこと暑いこと。

砂浜にはハマゴウの花が咲いています。どうもその花の蜜を吸っているようです。

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ハマゴウの花ならいっぱいありますから、蜜に不自由はしません。

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※ チョウの種類などを私が間違っているようなときは教えてください。自信たっぷりに書きますが本当は自信のない素人です。

モロコシソウ きょうやっと雨が降りました

きょうは金曜日。

長いこと雨が降らず、カンカン照りの日が続きました。

心配なのは田んぼや畑はもちろんですが、山の木や草、道端の草。その他神羅万象。
 きょうの宮崎の天気予報は、曇りか小雨でした。

私はいつもの渓流のある森に行ってみました。今でもサンコウチョウやアカショウビン、アオゲラなどの声がしていました。

午前中は幸い雨が降らず、森の中を散歩しました。
その時出会ったのがこの花です。モロコシソウ。

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花の枝が長いので、ぶらさって下を向いてしまいます。誰かが「細い針金の先にぶら下がったような」という表現をしていました。うまいなあ。

もうほとんどが実になっていましたが、少しだけ花が残っていました。

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小さくてかわいい花です。

モロコシというのは、唐土と書くのだそうです。名付けた人が唐のほうから来たと勘違いしたとか。

12時過ぎたので林道わきに止めている車に戻り、コンビニサンドイッチと冷えたホットコーヒー(買ったときホット)で昼食。すると12時45分待望の雨が降り始めました。ザーザー大雨。森中が大喜び。神羅万象大喜び。ザーザーザーザー。

サワガニも出てきて大喜び。

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ウチワヤンマ こんなところに

オニバスの池でオニバスを見ていると、杭の上に大きめの黒っぽいトンボが止まっていました。どうせまたタイワンウチワヤンマだろうと思いました。

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念のため双眼鏡でのぞくとしっぽの下のほうのうちわが大きくて、うちわの中に白い点が見えます。(本当は黄色だそうですが、白に見えます)

ウチワヤンマです。こんなところで出会えるなんて。

ウチワヤンマは最近減少傾向です。大きさはギンヤンマぐらい大きいです。

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近くの杭には別のウチワヤンマが。

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今はどの池に行ってもタイワンウチワヤンマばっかりで、ウチワヤンマをずっと探していたのです。

近年急速に生息域を広げているのはタイワンウチワヤンマ。南方系のトンボで、これも北上中です。なんだかウチワヤンマが負けてしまいそうなのでウチワヤンマを応援したいのです。

ちなみにタイワンウチワヤンマの写真です。

ウチワヤンマよりちょっと小さいかな。

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オニバス  葉の上に乗らないように棘があるけど

宮崎県木城町に岩淵池というところがあります。田んぼ用のため池です。

ここは「県指定天然記念物オニバス自生地」という看板が設置してあります。

昨日、今年のオニバスの状況はどうかなと思って行ってみました。

池はとっても大きくてヒシの葉がたくさん浮いていましたが、肝心のオニバスはというと、隅っこに少しだけ葉が浮いていました。

オニバスは1年草で、どういうわけか、年によって全く状況が違うのです。池一面に出ることもあれば、何年も全く出ないことがあります。

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花が咲くときれいです。昨日は咲いていませんでしたので、私が以前この池で撮ったものを見てください。

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葉はとっても大きいのです。大きいのは直径1メートルくらいでしょうか。鬼という名前のとおり、棘がいっぱいです。昨日の写真です。

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誰も乗らないようにということでしょうが、以前ここでこの棘の葉の上に乗って、餌を採っている鳥を見ました。なんだろうと思って双眼鏡で見たらレンカクでした。東南アジアの鳥でめったに見れる鳥ではありません。

オニバスも主に東南アジアですから慣れているのでしょうか。

オニバスの花を見に来たついでにレンカクを見ることができるなんて、とっても大喜びしたのを覚えています。f:id:tonji44:20180718153245j:plain

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このレンカクは、宮崎県には、近年3,4年に1回くらいやって来て、野鳥好きの人を喜ばせてくれます。

 

 

ヒツジグサ 溜池の中の純白

トンボたちで賑わう池には、珍しい花が咲いていました。

スイレンの一種でヒツジグサ。なかなか出会うことのない植物です。

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私が知っている蓮の花は、大きくてピンク色で「私は咲いているよ」と言っているように立派でした。

がこのヒツジグサは、それこそ小さくて清楚です。花の大きさは4センチ位。蓮の花のように茎が水面から立ち上がるのではなく、花は水面に浮いています。

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ヒツジグサは色が白いから羊草・・・ではなくて未(ひつじ)の刻に咲き始めるから未草だそうです。未の刻は午後2時ころですが、実際は11時ころから咲き始めて16時ころはしぼむのだそうです。

下の写真はちょうど16時に撮影しました。カメラのプロパティで分かります。「しぼむ時間が来たよ~」と言っています。

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次の写真は16時45分です。

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45分でなんだか少しだけしぼみました。もう少ししぼむのを待ちたいのですが、帰って夕飯作らなければいけないのでもう帰ります。

 

クロイトトンボ うだるような暑さでもイトトンボは元気

家の中にいても暑いのでちょっと遠出して、トンボや植物などを見に行ってきました。

そこは山の中腹にある溜池。トンボがいろいろ。

まずイトトンボ。

イトトンボ類は細いので、池の淵にしゃがみこんでをよーく見ないと見つかりません。

きょう見たトンボで面白かったのは、クロイトトンボたちの組体操。

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賑やかそうでしょう。ちょうど繁殖の時期です。

クロイトトンボたちは必至です。あちらでもこちらでも。

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夕方になったら急に池が静かになりました。

池の草の上で昼寝です。

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タバコの葉が黄色く色づき収穫です

山から帰る道を探していたら台地に出ました。

台地は水がないので水田ではなく畑です。

そしていま台地を一面黄色く染めているのはこの作物。

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これがタバコの葉です。

もう収穫したところもあります。

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この葉っぱとても大きいのです。こんなに。手の大きさと比べてください。

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タバコ栽培農家の人は、この暑い中でも汗を流しながら一枚一枚摘み取っておられました。ご苦労様。

 

ヒメヒオウギスイセン  キッノトイノシッポ

田舎の道を走っていて、今の季節道路脇によく咲いている花。

コオニユリともう一つは「ヒメヒオウギスイセン」です。

漢字で書くと姫檜扇水仙。檜扇というのはヒノキを薄く削って作った昔の扇子。

姫檜扇水仙。どこが檜扇?

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この葉っぱの根元のほうが扇子の根元のほうに似ているから・・・と聞いたことがあります。

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土手を占領しているクズにも負けず咲き誇っています。

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花は長持ちしますので、私の育った鹿児島の田舎では仏壇に飾っていました。母から「キッノトイノシッポを2,3本採ってきて」と頼まれると私が採りに行っていました。「キッノトイノシッポ」とは鹿児島弁ですが、今考えると「キジの鳥のしっぽ」のことだろうと思います。そういえば花が垂れて鮮やかなのはキジのしっぽに似ているような気がします。というよりヤマドリのほうかなぁ。

コオニユリ 田舎の道路を走ればあちらにもこちらにも

急に真夏みたいになって、家の中は暑いので車でちょっとドライブです。

今の季節、車を走らせながら見かけるのは、コオニユリとヒメヒオウギスイセン。

どちらも赤い花なので近づかないと分かりません。

まずコオニユリから。

崖に咲いているコオニユリ。見上げるととってもきれいです。

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名前は鬼。赤い顔に黒の点々が鬼。

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コオニユリがあればオニユリもあります。ただ宮崎では断然コオニユリが多いです。

見分け方、「コオニユリが小さい」・・・とばかりは言えないようです。一般的にはそうでしょうが、環境によっていろいろです。

それで見分ける方法は、ムカゴが葉の付け根についているかどうかだそうです。

下の写真コオニユリですが、ムカゴがついていません。葉の付け根です。

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下の写真はオニユリです。オニユリはムカゴがついています。

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分かりにくいので拡大します。葉の付け根です。

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葉の付け根にムカゴがあるのはオニユリ、ないのはコオニユリ・・・近づいてよく見ないと分かりませんね。

 

ヒュウガトウキ 川沿いの崖で生き残っていました

大きな川に注ぎ込む小さな川沿いの道を数キロ上って行きました。

道の水たまりにはアオスジアゲハが何羽も給水中。

ここでもオオルリが鳴き続けています。オオルリは葉隠れに姿がちらっと見えましたが、姿はそれっきり。

道が上り坂になったころ、川とは反対側の崖を見ているとありました。

ヒュウガトウキです。

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ヒュガトウキの野生種を見ることはなかなか難しいのです。

ヒュウガトウキは随分背が高くなるようです。こんなにも。

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花はというと、その時は咲いているように見えるのが蕾なのか、はたまた花びらが散った後なのかなかなか分かりませんでした。こんな感じです。

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葉の写真です。

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さてこのヒュウガトウキですが、漢字で書くと日向当帰です。別名日向山人参。

グーグルでヒュウガトウキと検索すると、出てくるのは健康食品としてのヒュウガトウキばっかり。動脈硬化に血液サラサラ…などと出ています。今は畑で栽培されているようです。

江戸時代、薩摩藩によって万病に効く「神の草」として珍重されたようです。それで野生のものは殆ど採りつくされたのでしょう。

昔は薬が少なかったから、病気になった親のために、息子や娘が必死で探し回ったのかもしれません。それで助かった人も多いことでしょう。

 

 

ブッポウソウは赤い橋が好き

毎年宮崎県にやってきて巣作りをし、子を育てた後南に帰る鳥、それがブッポウソウです。探し続けた青い鳥がこんなところにいました。

大きな川沿いの曲がりくねった道を走ること1時間半。赤く塗った橋が見えてきました。アーチ形状に鋼材が組まれて出来ている橋です。その橋は赤く塗られています。この赤く塗られた橋の隙間から鋼材の中に入り、そこに毎年巣を作るのです。

きょう着いたとき、その橋の上のほうに土鳩と遊んでいたくちばしの赤いのがブッポウソウ。(本当は遊んでいたのではなく見張っていた)

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ブッポウソウはこんな鳥です。近くの電線に止まったところを撮りました。

「巣に近づくやつはやっつけるぞ」と気の強い目つきです。

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だけど羽の色は綺麗でしょう。森の宝石と呼ばれたりします。

ところが声はとっても悪いです。悪声です。ゲッゲッゲツと鳴きます。

仏法僧、仏法僧と鳴く鳥は、このブッポウソウではなくてコノハズクです。

ややこしいけど過去に人間が間違ってつけた名前です。

きょう見ていたら、カラスがやってきたとき、もう1羽巣から飛び出してきて、2羽でカラスをゲッゲッゲッで追い払いました。

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もうすぐ雛が孵ることでしょう。親子で元気に南の国に帰れますように。そして来年もここに帰ってきてね。