台風10号が過ぎ去った近くの林の中、小さな枝や葉が一面に落ちていました。
小さな川沿いを登っていくと、可愛い花が一面に。
近づいたらハグロソウでした。
遠くの山では見たことがありますが、こんな身近にたくさんあるなんてびっくり。
2枚の花びら、ほかの花では見ない独特の花の形です。
ハグロソウはお歯黒のハグロソウで、下唇の上の方の赤褐色の斑紋をお歯黒に見立てたという説があるようです。
台風10号が過ぎ去った近くの林の中、小さな枝や葉が一面に落ちていました。
小さな川沿いを登っていくと、可愛い花が一面に。
近づいたらハグロソウでした。
遠くの山では見たことがありますが、こんな身近にたくさんあるなんてびっくり。
2枚の花びら、ほかの花では見ない独特の花の形です。
ハグロソウはお歯黒のハグロソウで、下唇の上の方の赤褐色の斑紋をお歯黒に見立てたという説があるようです。
今、葛の花が満開です。
山道を行くとこれもいたる所で繁茂しています。
少なかったら大切にされるのでしょうが。
外来種・・・いえいえれっきとした日本の花。
秋の七草のひとつです。
秋の七草は万葉集の山上憶良(やまのうえのおくら)の歌からきているようです。
奈良時代のことです。次の2種です。
・秋の野に 咲きたる花を 指折り かき数ふれば 七種の花
・萩の花 尾花 葛花 なでしこの花 をみなへし また藤袴 朝貌の花
ということで葛は秋の七草のひとつです。
一つ一つの花をよく見るととてもいきれいな花です。
私には葛の花には随分昔のある思い出があります。
それは私が高校1年生の時の最初のころの国語の授業。
教科書にいくつもの短歌が並べて書いてありました。
そして一人一人がその短歌の説明をすることになり、私に当たったのは
釈超空の
葛の花 踏みしだかれて、色あたらし。この山道を行きし人あり
の歌でした。
どのような発表をしたのか覚えていませんが、その時私は葛の花と萩の花がよく区別がつかないまま発表したのを覚えています。今なら、萩の花は立った木ですから足で踏むことはできなくて、葛の花はツルですから地面にも這っているので踏むことができるということが分かるのですが。そして今ならネットで簡単に調べられるのでしょうが。
ということで葛の花を見ると蔦(つた)の絡まる古びた校舎で受けた授業を思い出します。
午後8時半の平和台大橋。
宮崎市の大淀川に架かっている橋です。
ここから平和台公園の平和の塔が見えます。
下の写真、中央の山の上にライトアップされているのが平和の塔です。
平和台公園に近いから平和台大橋。
橋の歩道から宮崎市街地の方を見ました。
明るく輝いているのは橋の上の街頭です。
よく見ると街灯に虫が来ています。
街灯に群れているのはカゲロウです。
橋の上の歩道を歩いていて面白いのを見つけました。
欄干にクモの巣が張っているのです。
あちらの欄干にも。
こちらの欄干にも。
クモの巣に捕えられているのは、街灯に群れていたカゲロウです。
そしてこんな橋の欄干にクモの巣を張っているのはこのクモ。
オニグモでした。毛深いこと。
見ている前でカゲロウに襲いかかかったのですが、写真が・・・。
川から吹き上げてくる風が、いっときも止まなくてずっと揺れているのです。
だからブレブレ。
オニグモは夜行性だそうです。
橋の下の川で成虫となったカゲロウは、橋の街灯めがけて飛び上がります。そこに網を張るのがオニグモでした。
そしてカゲロウは繁殖行動を終えてその晩のうちに死んでしまいます。
オスも、川に卵を産み付けたメスも。
いつの間にか街灯に群れていたカゲロウがすっかりいなくなってしまいました。
そして車の通りも少なくなりました。
雲が切れて街灯の上には本物の月が出ました。
しかしこんな橋の欄干で、しかも夜にこんな生き物の営みがあるとは。
不思議な自然に出会いました。
逞しいオニグモ、一晩のはかない命のカゲロウ。
平和台大橋の小さな物語でした。
標高の高い山道を走っていると前方道の真ん中に動くもの・・・いえいえ今回は動きません。落石です。
時々こんな場面に出会います。動かせるときは動かしますが、一人ではどうしても動かせないときは引き返して別な道を走ります。
今回は動かせるくらいの石でしたから動かそうと思って近づくと・・・。
その落石の上に動くもの。
白いチョウチョ。
割と小さいチョウ。
ウラギンシジミでした。
落石の上の黒い塊をみんなで食べている感じです。
近づいても逃げません。
裏の銀色が輝いてきれいです。
裏銀シジミ。銀一色かと思ったら、小さな黒い点々。
脚の模様が面白い。
別の少し小さめのシジミチョウもやって来ました。
黒っぽい斑点があります。
ルリシジミでしょうか。うーん、シジミチョウは難しい。
ところでウラギンシジミの裏は銀色でしたが表は・・・。
暫く表が出るのを待ちましたが、結局写真が撮れませんでした。
それで以前の写真です。
下がオスです。
下がメスです。
結局チョウたちを飛ばせて、石を動かして車を通しました。
あの落石についていたチョウの好物は何だったのでしょう。
ゆっくり観察すればよかったのですが。後の祭り。
今の季節、里山の山際に行くといっぱい咲いている白い花と紫色の花です。
白い花はノシランです。
宮崎では至る所に咲いています。
葉がとても元気に繁茂します。それに比べて花は葉から少しだけ顔を出しています。
ノシランは傾斜地が特に好きなようです。
花は葉の間からやっと首を出しています。花は白いですが、実はきれいな紫色になります。
ヤブランもどこにでもある花です。
多すぎるので見向きもされませんが、よく見るときれいな花です。
ヤブランの実は紫ではなくて黒くなります。
ノシランもヤブランもいつの間にか我が家の庭にも住み着きました。
きっとヒヨドリ君が種を運んで来たのだと思います。
だけど今ノシランは花を着けていますが、ヤブランは咲いていません。
林道を走っていたら、突然水の音が聞こえました。
車を止めてどこでその音がしているのか探しましたら、見下ろす下に大きな滝があってびっくり。
水しぶきで霞んでいます。
滝の途中の岩に葉が見えます。
双眼鏡で見たらヒュウガギボウシのようです。
近くの林道脇にも小さな滝がありました。
水はほんの少ししか流れていません。
ここならヒュウガギボウシが近くで見れます。
今花盛り。
水に濡れて湿った岩とヒュウガギボウシの葉が似合って、とても感じがいいです。
そして涼しい。
少し紫がかった花。
純白の花。
丁度見ごろでした。
ヒュウガギボウシがゆっくり見られる、静かな岩のある所に巡り合いました。
カシノキランが大きな木の高いところに花を咲かせていました。
今8月下旬。
私の感じでは他の山では6月中が開花時期と思っていたのですが。
昨年もここの木のカシノキランの花は今頃でした。
何かが違うのでしょうか。
チョウに春型と夏型があるように、カシノキラン夏型?
下の写真は以前撮った6月初めのカシノキランです。
今回の上と比べると、色が薄いです。
単にカシノキランの開花時期は長いのかもしれませんし、あるいは単なる個体差かもしれませんが、今咲いているのは黄色が強くてとてもきれいです。
殆ど車の通らない山道を走るといろんな出会いがあります。
尾根を走っている軽自動車がやっと通れるくらいの道は、どこまでも続いていて、最後まで辿り着かないうちに日暮れが近づいてきました。
それで、それから先はまたの機会にして引き返していました。
すると前方に大きな鳥が。
大きさからしてヤマドリだと思いました。
遠いし、木の陰で暗いのでなかなかうまく写真が撮れません。
車の中から写真を撮っていましたら、車のすぐ右側の崖下から「ドドド」という羽音が聞こえてきました。
いわゆるヤマドリのほろ打ちです。
見えているのはヤマドリのメスで、ドドドはオスですが、オスの姿は見えません。
そのうちメスも崖下に下りて行き、10分くらい粘りましたがもう上がってきませんでした。
それでまたゆっくり車を走らせました。
50mも走らないうちに右側の草の影に、今度は小さめの鳥。
よくキジバトがいるのですがキジバトではありません。
私は直前にヤマドリのメスを見たばかりでしたから、ヤマドリの幼鳥だと思いこんでしまいました。
こちらは木陰ではないので姿がよく見えます。
この付近の山はコシジロヤマドリとアカヤマドリの両方いますから、どちらかの幼鳥と思いました。
暫くすると幼鳥は左手の崖を登って見えなくなってしまいました。
家に帰り着いたときは午後8時。
今日はヤマドリの幼鳥の写真が撮れたと思って、生き物なら何でも興味がある大学生の孫に、何鳥とは書かずに写真だけを送りました。
すると
「コジュケイの写真が撮れてよかったね」と返事。
「え、コジュケイ?」
直前にヤマドリのメスを見ていましたから、私はコジュケイという考えが浮かびませんでした。
そういわれて調べるとコジュケイです。ヤマドリの幼鳥でブログ書くところでした。
アブナイアブナイ!
そこで冷静に考えてみますと、最初に見たヤマドリのメスというのは、もしかしたらキジのメスかもしれません。メスはそっくりです。
羽がきれいに写っていれば分かるのでしょうが。
場所的にはヤマドリかなと思うのですけど。
まだまだ分からないことがいっぱい。
田舎の道を走ると、このようなハチの巣箱をよく見かけます。
道路脇の崖の上が多いですが、いろんな所に置いてあります。
この巣箱は誰が置いているかというと、おじいさんが多いようです。
ある時、巣箱を設置しているおじいさんとお話ししました。
「農作業の少ない時期に何個か作って置いておくと、ハチが入りだして、それを見るのが楽しみでなあ。そん上蜂蜜が取れていい小遣い稼ぎになっとよ」
と教えてくれました。
そして
「あんたもやって見らんね。1箱あげるから」
「うちは宮崎市の団地だから」
「いや何処でも大丈夫。ハチの入った箱をそのまま持っていけばいっちやが」
人の良いおじいちゃんでしたが丁重にお断りしました。
巣を作り始めると、下の写真のようにハチが出入りします。
8月24日の話をします。いつものことで山道を走っていました。
すると道路脇に置かれた巣箱の外側に、びっしりハチがついているのに出会いました。こんなのは初めて見ました。
何があったのでしょう。
増えすぎたら引越しをするという話を聞いたことがありますが、その準備でしょうか。
拡大しますと・・・。みごとです。
ニホンミツバチのようです。邪魔しない限り襲ってきません。
そこを過ぎてしばらく車で走っていると、今度は道路脇に巣箱が落っこちて中がむき出しになっていました。
左の黒く写っているのは私の車のバックミラーです。
車の中から撮っています。
なんと中に黄色い蜂蜜がいっぱい。
そしてハチもいっぱい。
箱の中を見たことがなかったのですが、こんな場面で見ることになりました。
こんなにいっぱい蜂蜜ができるのですね。
蜂蜜の層が分厚い。
蜂蜜がびっしり詰まっているのが分かります。
だけど流石に車から下りて蜂蜜を舐めてみる勇気はありませんでした。
集団で襲ってきたらどうしようと思って。
いったいこのハチたち何をしているのでしょう。
下の写真、巣穴に残っている赤ちゃんに
「早く出ておいで」
と言っているように見えます。
としたら今羽化したばかり? ?
ちぎれた蜂蜜の塊にやってきたミツバチより大きいハチ。
キイロスズメバチでしょうか。
流石にミツバチがいっぱいいる所には近づきません。
持ち主に連絡してあげたいのですが、山の中で人家もありません。
やむなくそのままにして先を急ぎました。
もともとはハチたちの蜂密だから・・・というのを心の言い訳にして。
湿っぽい山道。
小さな小さな虫が葉の上に止まっていました。
なんだか光の角度で輝く瞬間があるのです。
見たことのない虫。
1センチ位でしょうか。
小さすぎてなかなか写真が撮れません。
だけどいろんな色に輝いています。
木漏れ日が当たるとまた色が変わります。
不思議。
帰ってから調べてみました。
アカスジキンカメムシでした。赤条金亀虫。
それの3令幼虫のようです。
歩く宝石と言われるくらいカメムシの中でも最も美しく人気があるようです。
しかしそれは本当は、今回のような幼虫ではなく、成虫の段階が金緑色の体に赤い斑紋。それが人気のようです。
しかし、今回のこの3令幼虫の美しさは、これはこれでいい。
ブラックオパールだと思いました。
長いこと雨が降りません。
草原の植物たちは大丈夫かなと思って見に行ってきました。
大丈夫でした。
野原の植物というのは強いものだと感心しました。
ノヒメユリが顔を出していました。
私の好きな花です。
小さなユリです。
下の写真、こんなに小さいのです。
この写っている左腕は長袖?
そうです。草原に着いたのは真昼。
曇りの予報だったのですがカンカン照りです。
たぶん34度くらい。
そこで車の中から取り出して着てみたのが空調ジャンバー(空調服)・・・です。
空調ジャンバーとは背中に小型の扇風機が2個付いていて、それが空気を服の中に送り込むというシステムです。
下が表(おもて)です。扇風機のような小型ファンを背中側の両側に取り付けます。
下は裏側です。バッテリーがあって、それを充電して扇風機につなぎ、バッテリーは内ポケットに入れます。バッテリーはスマホより少し重くて210g位です。
さてさてその効果のほどは?
空気が外から送り込まれますので服がぷ―っと膨れます。そして空気が背中を通って首筋に抜けていきます。
結構効き目があって涼しいです。
所が草原で長い間歩きまわると体に熱が溜まってしまうし、外気温は高くなるわで思ったほど涼しくなくなりました。だけど脱いでしまおうとは思いませんでした。やはり着ていた方が涼しいです。
ということで着てみる価値はありそうです。面白いし・・・。
因みにこれは息子が買ってくれました。格安5千円以下だったとか。
もうちょっと高いのならまだ効果があったのかなあ?
それを着て見て回った真夏の草原のノヒメユリ。あちこちに咲いていました。
綺麗です。
熱中症にならないように、時々車に戻って冷房に当たります。空調ジャンバーの背中から、冷たい空気が送り込まれます。
ノヒメユリのほかにもいろいろの花を見ることができて幸せでした。