黒く熟れたイヌビワの実

点々と畑のある山を歩いているといいものを見つけました。

イヌビワの実です。小さなイチジクみたい。

この黒っぽく熟れたものは小さいけれど食べられるのです。

私が小さい頃はこれをちぎって食べていました。子供のおやつでした。

おやつにお菓子などない時代の話です。昭和30年台。私の小学校時代です。

私の故郷の鹿児島の田舎ではこのイヌビワ実を「こたっの実」と呼んでいました。こたつではありません。つが小さくて「っ」です。

今回も採って食べました。とろっとしておいしい。

子供のころを思い出しました。とっても貧乏だったけどそれが普通と思っていました。

あの頃の夏は男の子は上は裸。大人の男はランニングシャツで腰に日本手ぬぐいをぶら下げていました。日本手ぬぐいは男の必需品。私は今でも山に行くときは日本手ぬぐいを腰のベルトに挟んでいます。怪我したら破いて包帯になります。

近くにはセミの抜け殻。

クマゼミがワシワシワシ、シャシャシャと鳴き続けていました。

時々にわか雨。その時は小降りになるまで、大木の下で雨宿りします。

そうです、「止まない雨はない」というのが私の親父の口癖でした。

つらい時はじっと耐えていればいつか雨がやみます。