キュウシュウフクロウ 暗色型

「森の中の木に、顔の黒いフクロウが止まっているよ」と、鳥仲間のOさんから電話を貰い急いで駆け付けました。宮崎市の海岸林です。

彼が指さす森の中、木の枝に黒いものが。

フクロウは白っぽいはず。双眼鏡で見るとなんと本当に顔の黒い鳥。

見たことのないもの。

私にはそれがフクロウなのかどうかも現場では分かりませんでした。

大きさはフクロウ位でした。大きい鳥です。

 

とりあえず、どきどきしながら写真を撮りました。

f:id:tonji44:20190417130217j:plain

なんにせよとてもかわいらしい顔です。目を開けたりつぶったり。

 

家に帰って図鑑で調べても出てきません。 

私の鳥仲間のメーリングに写真を送って聞いてみました。

するとすかさず、たまたま一緒にいたKさんとTさんから

「キュウシュウフクロウの暗色型。山階に標本があるはず。とても珍しい」との回答。

ネットで調べると出てきました。そういわれてみるとぴったり一致します。

キュウシュウフクロウ暗色型・・・納得。

f:id:tonji44:20190417130910j:plain

日本鳥類目録第7版によりますと、フクロウには5種の亜種があるようです。

1 エゾフクロウ

2 フクロウ

3 モミヤマフクロウ

4 キュウシュウフクロウ

 5 亜種不明のフクロウ

この4番目のキュウシュウフクロウの暗色型ということのようです。

f:id:tonji44:20190417130948j:plain

発見者のOさんのおかげで、とても珍しい鳥を見ることができました。

そして世の中には、人間に余り知られていない不思議な世界があるものだと再認識しました。

 

友人のMH氏から、「このような暗色型も、クロージャーの法則が適用されるのだろうか?」とメールをいただきました。鳥類では南方に行くほど羽の色が黒っぽくなるものがいます。沖縄で見たヒヨドリやシジュウカラ、ヤマガラなどの黒っぽさにはびっくりした記憶があります。その説明はクロージャーの法則といわれるもので説明できるそうです。

それは
「同種の恒温動物では、寒冷・乾燥地にすむ個体のほうが温暖・湿潤地に住むものよりも、メラニン色素が少なく明るい色調となる傾向がある現象。一部、昆虫類にも同様の傾向が見られる」

グロージャーの法則。出典:デジタル大辞泉(小学館)

というものです。亜種の中でもキュウシュウフクロウにだけ暗色型があるとすれば、その法則が適用されるのかもしれないな・・・とまだまだ勉強中です。