『浜千鳥』
鹿島鳴秋作詞・弘田龍太郎作曲
青い月夜の 浜辺には
親を探して 鳴く鳥が
波の国から 生まれでる
濡れたつばさの 銀の色
夜鳴く鳥の 悲しさは
親を尋ねて 海こえて
月夜の国へ 消えてゆく
銀のつばさの 浜千鳥
川口の砂浜に行きました。
一羽のダイゼンの幼鳥がいました。ほかに鳥はいません。
まだ シギやチドリが渡ってくるにはちょっと早すぎます。
ダイゼンはチドリの一種です。
どうしたのでしょう。
あっちに行っては鳴き、こっちに来ては鳴き。
親にはぐれてしまったのでしょうか。
ピューイ、ピューイと鳴き続けます。
童謡の浜千鳥の声は、ダイゼンに違いないと思いました。
そのピューイは何だか物悲しい響きなのです。
浜千鳥の作詞者の鹿島鳴秋(かしまめいしゅう)は、6歳の時に父が失踪し、母は再婚したため一人ぼっちになりました。
それで祖父母に育てられたのだそうです。
どんなにか寂しかったことでしょう。
この浜千鳥の歌詞の根底にその悲しみが流れているようです。
その話を聞いたら、なんだか切なくなりました。
この砂浜で鳴いていたダイゼンが早く親に巡り合いますように。