昔、井之口希秀さんという先生に植物を教えてもらっていました。
ある時一緒に田舎道を歩いていると、「ここにたくさんあるのがキランソウで,地獄に行きそうになった時に地獄に落ちないように蓋をしてくれます。だから『地獄の釜のふた』ともいいます」と楽しそうに教えてくださいました。
だから私はこの花に出あうたび、「地獄に行きませんように」と祈ります。地獄より天国が好きですから。
薬草として有名で、葉や茎を乾燥させ、それを煎じて飲むと咳止めや解熱、下痢止めなどに効くそうです。死ぬような病気から救ってくれるので地獄の釜のふた。
「医者倒し」と呼ぶ地方もあるそうです。
地面にはいつくばって広がっています。
花はとても小さいです。
よく見るときれいな花です。
キランソウのキは紫色の古語が「キ」で、ランは藍色のラン。
それでキランソウだそうです。
面白い名前ですから「キランソウは地獄の釜のふた」と一回で覚えました。
またもう一つ別名があって、それはコウボウソウ。
弘法大師がその薬効を全国に広めたということでついた名だそうです。
今回このキランソウの写真を撮った、児湯郡木城町の高城跡の山には、弘法大師の像が立って町を見下ろしていました。