青面金剛庚申塔(しょうめんこんごう・こうしんとう)

昔集落があったらしいという山の中を歩いていました。

時々家の敷地だったらしいところにかまどの後や、風呂釜の後が残されていました。

今は使われなくなった古道だったらしい所を歩いていると石仏に行き当たりびっくりしました。

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それもこんなに大きな木の根の下です。

なんと見事な木の根っこ。

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これは青面金剛が彫られた庚申塔(こうしんとう)のようです。

恐ろしい形相。手が6本。右手に何かつかんでぶら下げていますが、これはもともとはショケラという女人の髪をつかんでぶら下げているのだそうです。どういうこと?

庚申塔とは、道教由来の庚申信仰に由来するもののようです。

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60日に一度巡って来る庚申(かのえさる)の夜は、その人が寝ている間に、三尸の虫(さんしのむし)という人間の腹の中に住んでいる悪い虫が、天帝にその人の悪いことを告げにに行き、その人は病気になったり早死にするということで、その夜は三尸の虫が抜け出さないように、勤行したり宴会をしたりして徹夜したそうです。それを庚申待ちともいうようです。

その信仰で江戸時代を中心に建てられたのが庚申塔のようです。

この青面金剛は怖い顔をして病魔を追い払います。

この石像をよく見ると文化14年と読み取れます。江戸時代の徳川11代、家斉公の時代です。1817年、今から205年前です。そのころこの付近には集落があって、庚申待ちが営まれていたということは驚きです。

調べると知らないことがいっぱいあって面白いです。