ルナールの博物誌 そして油紙のカバーの文庫本の話

「令和」は万葉集だそうですが、 

「朋(とも)有り、遠方より来たる。亦(また)楽しからずや」

これは論語です。

 

友達のK氏が遠くから訪ねてきました。
とても楽しかったです。

 

そしてこれお土産・・・手渡してくれたのは、岩波の文庫本。

「ルナールの博物誌」 辻 昶訳

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本当は、この上にカバーがついていたのですが、外して写真を撮りました。

 

彼がページを繰って、「こんなのがルナールらしい」といいました。

1ページにほんの1行だけ。

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彼は農業です。最近の農業の話と、二人の共通の趣味の野鳥や植物や昆虫の話。

時間を忘れて話しました。

彼が帰った後、頂いた博物誌を読みました。私が気に入ったのは「せきれい」。

 

私は文庫本が好きです。
学生時代から買いためた文庫本が我が家の書架にはいっぱい。

そのころ単行本は高くて買えなかった。もっぱら文庫本の古本。

岩波、角川、新潮文庫。

 

本だけ読んでいた学生時代。あの頃が懐かしい・・・だけど精神的にはとってもつらい時期でした。

 

今でも、 たまに文庫本を書架から引っ張り出します。

古くなって変色している文庫本。紙魚臭い文庫本。

 

そのころの文庫本には油紙というカバーがついていました。油紙のカバーはもうとっくになくなってしまいましたが、私にはあれがとても懐かしいです。

私の書庫の文庫本にはまだその油紙の付いた文庫本が残っています。随分変色していますけど。

多分昭和40年ごろ買った本です。パラフィン紙というのが本当かもしれません。だけど私にとっては油紙。

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最近読んだ岩波文庫でとても気に入った文庫本があります。。

「ワーズワース詩集」  田部重治選訳

詩では、訳す人がすごいと思います。

その中の94ページ・・・短い詩です。

「決意と独立(水蛭取る人)」 

水蛭をとりながら、寂しい沼地をさまよって生きている老人の詩です。その老人はワーズワース本人でしょうか。


文庫本は今では殆ど読みもしないのに捨てられません。邪魔になるほどは嵩張らない健気さ。