宮崎は蒸し暑い夏になりました。梅雨が開けた感じです。
そんな日、照葉樹の生い茂る森に行きました。
道の上に木が覆い被さっている、薄暗いでこぼこ道の山道を歩いていたときのことです。
突然1羽の鳥が、ギーギーギーとうるさく鳴きながら、私の周りを飛び回り始めました。いったい何事?
すぐ目の前の枝に止まったかと思うと後の木の枝に飛び移ります。
サンコウチョウの声です。
ちょと離れた木の陰を動くもう1羽のサンコウチョウの影。
どうもそれはヒナで、飛び回っているのは親鳥で、私の気をヒナからそらそうとして派手に周りを飛び回っているようでした。
写真を撮ろうとしますが、動きが早くてなかなかレンズに姿をとらえられません。結構距離が近いのです。枝に止まったかと思うと次の瞬間には飛び立ちます。
連写でいっぱい写真を撮ったのですが、帰って見てみると数枚が奇跡的にピントが合っていました。 よかった~。
ギーギーギー鳴き続けます。尻尾が長いこと。
しばらくして、少し離れたところにいた雛らしい鳥が、林道の上を向こうの方に飛んで行きました。
すると、うるさかった親鳥もその後を追っかけました。
そして声がしなくなりました。
ほんの2分位のサンコウチョウ劇場。
元の静かな森。
私は暫く茫然と林道に立ち尽くしていました。