私が住んでいる宮崎市から、日南に行く道は、今は高速や海岸線や山越え(大戸野越え)やいろいろありますが、その昔明治、大正、昭和の初めごろは今「山仮谷線」と呼んでいる山越えの道がありました。宮崎市の鏡洲(かがみず)から椿山公園を通って南に行き、日南北郷に至る道です。今は県道27号線。
今も通れますが、行きかう車は殆どありません。
その道の山の中に変わったものがあります。山仮谷隧道(やまがりやずいどう)・・・隧道とはトンネルのことです。道路から少し外れた所にある、全面通行止めの看板の所です。古いトンネルが残っています。
全長は55mですから向こうが見えます。
上の方に「山仮谷隧道」、右の文字は明治24年8月創工と書いてあります。左側には読み取れませんが、明治25年7月竣工と書いてあるそうです。竣工して今年9月で132歳です。
中はびっくり!の赤いレンガ。みごと!
天井も全部全部赤いレンガです。苔が殆ど生えていない。
↓下部と上部はレンガの積み方が違います。
それより私が一番気になったのは、この煉瓦はどのようにしてくっついているのだろうということです。不思議!
説明板がありました。
説明板には書いてありませんが、調べてみるとレンガは大阪の堺から取り寄せられていて、固定にはやはりセメントが使われていたそうです。その頃からセメントがあったとは驚き。ここで使われたセメントはドイツから輸入されたポルトランドセメントだったそうです。納得。
開通したら、宮崎と飫肥(おび)の間を結ぶ人力車や、当時はやり出した客馬車が通ったようです。
その頃のこの隧道の動画あったらいいのにな・・・見たい!