田んぼの広がった小道を歩いて行くと、小高い古墳のような山があって、その傍らに花が咲きほこった別天地のような所があります。
小さな家らしきものが建っています。
今の季節はコスモスなどが咲きほこっています。見事です。
その一角に何やら立て札。
そうです。ここは彼岸庵(ひがんあん)です。
え、今時庵(いほり)?
散歩の途中にちょっと寄って行かれる人がおられます。
庵という漢字・・・いや感じがぴったりです。
庵の主とお話したことがあります。とってもにこやかで円満そうな方でした。奥さんもとてもやさしい目をされた方でした。いつもおられるわけではないようで、時々見かけます。
家というよりは、庵らしく小屋づくりです。もちろん電気も水道も何もありません。
4畳半くらいの広さで机などが持ち込まれ、ちょっと人生の休憩の場所です。
私も誰もおられなくても入って椅子に座り、何も考えず、ただひと時を過ごすことがあります。
中から花が見えて田んぼも見えます。
俳句の短冊がかかっています。
彼岸会や石灯篭を贈らるる 静風さんの作です。
私はまだ彼岸に行ったことはありませんが、多分ここのように花が咲きほこっているところだと思います。そう思うと行くのも悪くないなと思ったりします。
まあお許しがあるまでは、しばらくこの此岸にとどまることになりますので、たまに彼岸庵にお邪魔させていただきます。