波打ち際の砂の上で動くもの。
砂の色に似ているのでなかなか分かりません。
しゃがんでそっと見るとハンミョウでした。おんぶハンミョウ。繁殖期。
ハンミョウにもいろいろあります。
海岸の砂浜で見るハンミョウ、川の砂浜で見るハンミョウ、山道で見るハンミョウ、高原で見るハンミョウ、そしてうちの庭にいるハンミョウ。
今回は海岸の砂浜にいたハンミョウです。
宮崎の海岸の砂浜で見たことのあるハンミョウは、エリザハンミョウ、ハラビロハンミョウ、イカリモンハンミョウです。
今回いたのは斑紋からイカリモンハンミョウです。
船の錨に似た斑紋です。だからイカリモンハンミョウ。
イカリモンハンミョウは全国的に個体数が少なくて、環境省のRDBでは絶滅危惧1Bになっています。
本州では石川県だけに少数が生息し、九州でも大分県、宮崎県、鹿児島県だけに生息しています。大分県と鹿児島県もとても数が少ないそうですが、最も安定しているのは宮崎県かなと思います。
宮崎で私が見たのは日向市と串間市だけだったのですが、今回は新富町の海岸です。
3か所目になりました。
それにしても波打ち際に生息することができるということはどういうことでしょう。
波打ち際の砂を掘って巣を作り、そこに卵を産み付けます。孵った幼虫はそこで大きくなるはずです。
もちろん満潮の時は波が被ります。
そこで私はこのイカリモンハンミョウ夫婦に聞いてみました。
「ねえ錨紋さん、穴の中に水が入ってきて大変じゃないの」
「大丈夫、小さな細い穴だから、砂で蓋をすれば何もしなくても水は入ってこないよ」
「そうなんだ」
イカリモンハンミョウのいた砂浜です。今は引き潮。
いつ来てもさわやかな砂浜です。