沢沿いを歩いていると、ラショウモンカズラがたくさん咲いていました。
なかなか出会える花ではありません。
何年振りかに見ることができました。
唇弁の色が鮮やかです。
白に赤い紋様。
これがラショウモンカズラと名前の付いた所以です。
切り落とされた鬼女の腕から流れる血。
そんなイメージでしょうか。
平安時代の謡曲「羅生門」に出てくるのだそうです。
夜な夜な羅生門に出る鬼女を討取ろうと、源頼光天王の一人、渡辺 綱(わたなべのつな)は一人羅生門に向かいます。そして悪戦苦闘の末鬼女の片腕を切り落とします。鬼女は腕を置いて逃げます。
腕からしたたり落ちる血。
しかし、まあよくそんな名前を付けようと考えた人がいるものです。
これが咲いていたのは日が当たらないような鬱蒼とした森。
名前にも、咲いている場所にもかかわらず、花はとても爽やかで綺麗でした。