黒北発電所  九州最古、そして現役

宮崎市の南部を流れる清武川の上流に黒北という所があります。

昔、川が遊泳場になっていて、子供たちを何回か水遊びに連れていったことがあります。

その川沿いにとても小さな水力発電所があり、今も動いています。

 

この真ん中にある建物です。

石造りの平屋建て。小さい。

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建物の面積は78平方メートルといいますから、24坪。うちの家より狭い。

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なんだか洋風の明り取り。

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この発電所は、明治40年に運転を開始しています。1907年ですからもう100年を超えています。

宮崎県で初めて、住宅200軒分の発電をしたそうです。それまではランプ生活だったので、電気のついたところは大騒ぎだったようです。

 

私が感動するところは、今でも立派に現役として発電しているということです。

確かに近づくとタービンの音が聞こえます。水車や発電機は、まだその当時のドイツ製の機械だそうですが長持ちするものですね。

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発電所を作った人たちの記念碑が立っています。漢文で読めませんが右側に口語体に直してありました。

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偉い人達がいました。どんなにか大変だったことでしょう。日露戦争をはさんで作ったということですから、古い話です。

 

電灯がついてどんなに皆が喜んだか・・・。

私にも経験があります。

私が小学校2年、3年のころ事情があって鹿児島県の口永良部島(くちのえらぶしま)に住んでいました。そうです。今、噴火で時々ニュースになる島です。昭和29年頃の話ですから古い話ですが、黒北発電所ほど古くはありません。

向江浜という所に住んでいましたが、電気がありません。島全体が電気がなかったのです。ランプ生活でした。部屋の中央にランプがぶら下がっています。そのホヤ磨きが私の仕事でした。ホヤというのは火の周りを覆っているガラスです。一晩で煤けるので、それを古新聞を破いて磨くのです。

ランプはそれと、小さな持ち運びできるものの2個でした。

 

ところが、ようやく口永良部島にも電気が来ることになりました。

待ちどうしかったこと。

そして、いよいようちにも裸電球が1個取り付けられ、ある夜電気がつきました。

その明るかったこと。まぶしかったこと。今でもその時の感動を覚えています。

そういうことで宮崎県に最初の家庭に電気をもたらした黒北発電所。

その時のみんなの喜ぶ姿・・・小さな小さな水力発電所のお話でした。