スズサイコ 小さな鈴が風に揺れています

五ケ所高原の草原を歩いていると、目の高さのところに見たことのある実が目に入りました。

あった!と思わず叫びました。

スズサイコです。とても珍しい花です。

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可愛い鈴です。とっても小さい。直径1センチ位。

風に揺れるのでなかなか写真が撮れません。

これはまだ花だ開いていない姿です。

というのがスズサイコは夜型で、日没ころ咲き始め、日が昇るとしぼみだすのだそうです。以前この五ケ所高原で、花が開くまで待とうと思って、日没を待ったことがあります。その時の写真です。

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全開ではないけど開きました。ほかののスズサイコも一斉に開きました。不思議ですねえ。

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鈴のような柴胡(さいこ)だそうですが、柴胡とはこれも漢方薬の名前だそうです。

それより、夜に虫がこの花に来るのでしょうけど、どんな虫が来るのか見てみたいものです。

アソノコギリソウにジャノメチョウ 高原の夏

最終目的地の五ケ所高原に着いたのは午後4時ころ。

まだまだ日が高い。

車から降りると遠くにカッコウの鳴き声。これだけでもう高原の気分。

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少し歩くだけで見晴らしのいいところに出ます。

この付近は牧草地がとても広いのです。あっちもこっちも牧草地。多分この三秀台も牧草地の一つ。

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牧草地のはるか向こうを見るとやまなみがみえますが、祖母山も見えます。

この付近では祖母山が一番有名で1,756mあります。下の写真のちょうど石の真上の遠くかすんでいるのが祖母山です。

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三秀台は特に何があるわけではなく、記念碑が何基か建っています。あとは「くさはら」。

そのくさはらにはいろいろの珍しい植物が生えています。

なんだか阿蘇の草原の続きみたいなところです。ということで早速目についたものはその名も「アソノコギリソウ」という白い花。葉がのこぎりのようにギザギザしています。

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その花の上に止まっているのはジャノメチョウ。わりと大型のチョウです。

このチョウも珍しくて、私はこの五ケ所高原でしか見たことがありません。

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この五ケ所高原にはまだまだ珍しい植物などがありますので「つづく」

 

シデシャジン アキアカネの止まっている土手に

山の中腹の道で休憩しているとトンボがいっぱい。

ときどき下りて止まります。アキアカネのメスのようですが、オスは全然いません。オスはどこに行ったのでしょう。

そのトンボが止まった先に目をやると、小さな青い花が目に入りました。

ほんの20センチくらいの背の高さです。屈みこんで見てみると、花は青紫で特徴のある形をしています。細い花冠が5枚、船のスクリュウーのよう。

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こんなに小さい。だけどシデシャジンの花の形です。

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こんなに小さなシデシャジンを見たことがありません。付近を探しましたが他にはありませんでした。種が飛ばされてきて、やっと1株だけ根付いたのでしょうか。

シデシャジンというのも変な名前です。調べてみると漢字で「四手沙参」と書きますが、四手とは神社でよく飾ってある、紙にはさみを入れてひらひらした飾り。あれが四手だそうですが、花の切れ込みをそれに見立てたのでしょうか。

沙参とは、ツリガネニンジンの根を乾燥させた漢方薬だそうで、ツリガネニンジン系の植物にシャジンとつけるのだそうそうです。う~ん、よくわかりません。

最後に付近をいっぱい飛んでいたアキアカネのメスです。

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オオヒナノウスツボ 古風な名前

家の中にいても大変な暑さなので、山のほうに行ってみました。

日之影町と高千穂町の山の中腹を縫っている道路を走りました。

標高が高いと、少しばかり涼しいです。日の当たるところを歩いても気にならないくらいです。沢があったりすると車を止めて、その付近をぶらぶらしてみます。それの繰り返しです。ときどき山でないと見られない植物に出会って感動しますが、これもその一つです。道端に咲いていました。まず花のアップの写真。

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大きく見えますが、本当は小指の先ほどくらいです。

どんなふうに咲いているかというと

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こんな感じで藪みたいです。全体を見た感じはかわいくないし、花が咲いているのかもよく見ないとわからないくらい地味です。

ヒナノウスツボというのがって、これはそれの頑丈で大きな方でオオヒナノウスツボだろうと思います。道端の日の当たるところに雑草のごとくたくましく咲いていました。

そのうちの一本の髙さを測って見ましたら 、110センチを超えました。

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ところで「雛の臼壺」という語が気になります。そこで「とん爺」こと私は、その花を見ながら考えました。

「お餅を搗く臼のようなところにお雛様が4人並んでおられます。その臼は横から見ると壺のように奥行きがあるのです。ということで横から見た写真です。

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ということで、雛の臼壺。大きいから「大雛の臼壺」

このようなめったに見られない花に出会いますから山道は楽しいです。

 

ショウジョウトンボのオスは「猩々緋」

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体も顔も真っ赤なショウジョウトンボのオス。

とっても鮮やかです。すごい赤です。

トンボの種類としてはそんなに珍しいというわけではなく、時々出会います。

 

ショウジョウとは、「猩々」のことのようです。

では猩々とは何でしょう。

古代中国の伝説上の生き物だそうです。

猿のような顔、白い耳、そして赤い獣毛に覆われているとか。

その赤を「猩々緋」と呼ぶようです。

「日本の伝統色」というカードみたいなものを持っていますが、その中にも「しょうじょうひ」として載っていました。

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赤に少し黄色が入っているのでしょうか。

最近、ショウジョウトンボのいそうな池には、ベニトンボのオスがいることがあって、そっくりだから間違いそうになります。ベニトンボの方には赤の中に紫色が入っているようです。

 

 

 

この花はな~に?

台地の道路を走っていたらこんな花が咲いていました。

大きい。私の背丈以上だから2m位。

さてこの綺麗なピンクのラッパ状の花は何の花でしょう。

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畑です。

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何かを収穫した後、茎が残してあって、それから花が咲いたようです。

こんな畑です。

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そうです。タバコの花です。

タバコの葉を1枚1枚手作業で取った後、残った茎から少し葉が出て、きれいな花を咲かせました。

案外きれいな花を咲かせるものですね。

 

 

 

 

 

 

ハンミョウは道を教えてくれる

きょうの宮崎市は、台風12号の周りの雨雲のせいで、時々土砂降りがやってきます。それで家にいます。

ゴミを捨てようと裏のドアを開けると、目の前をピョーンと何かが横切りました。小さな虫です。目で追っかけると壁に止まりました。それがこれです。

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家の裏のほんの1間もないくらいの通路に毎年夏になると何匹か見かけます。

小さな花壇があるのでそこで生まれるのでしょうね。あ、1間といえば180センチ位のことですよ。

模様がとても鮮やかですね。2センチ位あります。

これは別のハンミョウです。こちらの方が鮮やか。

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ハンミョウとはまた変な名前ですね。「斑猫」と書くそうです。まだら模様の猫?

英語ではTiger beetre・・・タイガービートル・・・虎のカブトムシ?

確かにピョーンと飛んで獲物に襲い掛かります。

 

私が小さいころ、田舎ではこの虫を「みちおしえ」と呼んでいました。

田舎の狭い道を歩いていると、ピョーンと飛んで1間ぐらい先に着地し、振り向いて「こっちこっち」と言って、また1間位先に着地します。人の先に先にと行くのです。

俳句では夏の季語になっているようです。

    此方へと法の深山のみちをしえ  高浜虚子

仏法の世界へも道案内してくれるのかもしれません。

これはな~に?

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列車が走っています。

丸い窓から光が漏れています。

そうです。銀河鉄道999。(ぎんがてつどうスリーナイン)

懐かしいなあ。

ずいぶん昔のアニメだから今の人はもちろん知らないでしょうね。

実はこれはきょう裏庭で見つけたイモムシです。

きょうは迷走台風12号が屋久島付近にあって停滞中のため、宮崎は雨が降ったり止んだり。その雨は、一時的にまるで天が破れたような激しい雨が3分位続いたかと思うと、ぴたっと止んで、青空が出てみたり。

そういうことで外出できないので、雨の合間に庭をうろうろします。

裏庭の鉢に植わったオオハンゲです。葉が何者かに食べられて欠けています。

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裏返してみるとイモムシがたくさん。

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しかし、割とすっきりとして綺麗なイモムシです。それが銀河鉄道999の正体です。

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長さ4センチ位。ということで正解は、セスジスズメの幼虫でした。

次は頭です。

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尻尾です。

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綺麗ですね。

さてこのイモムシをどうしたものか。

自然に任せてほっておくことにしました。そのうちセスジスズメという蛾になるでしょう。

コガネグモ セミを捕まえた

オオハラビロトンボメスが止まっていた付近には、コガネグモがきれいな網を張っていました。あっちにもこっちにも。網がきれいです。

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次は別のコガネグモ。腹のほうです。

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この暑いのによく頑張って作り上げました。作った後は8本の足を2本づつにまとめ、4本足のようにして、頭を下げて獲物を待ちます。

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奥の方の池でオオハラビロトンボのメスを見た後、帰りにそこを通りがかったら、1つの網になんとセミがかかっているではありませんか。

獲物が網にかかったら、獲物をくるくる回転させながら、糸を巻き付けて動けないようにするのだそうです。なるほどよく見ると、糸でくるくる巻きになっているのが分かります。クモの糸は強いのですね。

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随分昔の話ですが、クモの巣にかかった小鳥を見つけたことがあります。

ヤブサメという日本で一番小さいくらいの鳥です。スズメが全長15センチ、ヤブサメは10センチ位です。

そんなに小さいからクモの巣から逃げられずにぶら下がっていましたので、私が逃がしてあげました。その時の写真です。フイルム写真です。なつかしい!

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オオハラビロトンボのメス発見 腹が広い

 この私のブログの7月5日には、オオハラビロトンボのオスを見つけて載せていますが、その時「本当はメスがいれば、いっそう腹が広いのですが・・・」と書きました。それから、時々オスのいた池に足を運びましたが、メスは見つからずオスもいなくなっていました。

ところが昨日メスを見つけました。別の溜池です。

ただのハラビロトンボかと思いましたが、色が黒い。そして腹が広い。これがまさしく「大腹広」です。

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実は昨日はその近くで、オスも見つけたのですが、カメラを構えたら逃げられてしまいました。

それできょう再挑戦です。

きょうは台風12号が三重県付近に上陸して、西進しながら次第に九州のほうに南下してきていますから、宮崎市も昼から雨が降り出すということで、午前中再度その池に行ってきました。

残念ながらオスはいませんでした。昨日見たメスは同じ場所にいました。

そしてうれしいことに、だいぶ離れたところにもう1匹メスがいました。

こちらのほうは、前の個体よりは色が薄いように感じました。

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その溜池は、こんな溜池です。

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この池には、ほかのトンボやチョウやクモなどいろいろいましたので、また後日。

ハガクレツリフネ 葉は雨除け日よけ

鰐塚山下山途中の道端にあった花です。

行きには気づきませんでした。

花が葉に隠れるから角度によって見えないことがあります。

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葉に隠れて静かにしています。

出しゃばらなくて奥ゆかしい花です。

吊り舟というのは舟をぶら下げている・・・吊っているような感じだからでしょう。

これもなかなかうまい名前です。

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ふつうの「ツリフネソウ」というのや「キツリフネ」という黄色い花はわりと出会うことが多いですが、このハガクレツリフネはめったに出会いません。見つけたらうれしい花です。

アサギマダラ かっこいい黒の騎士団

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一体これは誰の顔?

アニメで見た黒の騎士団?

 

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これはチョウの顔です。アサギマダラという大型のチョウです。

鰐塚山の頂上を何羽も飛び交っていました。

このチョウはあることで有名です。

渡りをするのです。秋になると南西諸島や台湾まで渡っていきます。

タカのサシバが渡るのは有名ですが、チョウも渡るのですね。しかしこのアサギマダラの場合全部が渡っていくのではなくて、一部が渡るのだそうですが、まだはっきり解明されていないようです。

どんなにして解明するか考えてみると方法が難しいですよね。

今行われている方法は、捕まえたアサギマダラの白っぽいところに、いつどこで捕まえたという字や番号を書きこみます。そしてそれがどこかで再捕獲されればルートが分かるということです。タカ類なら発信機がつけられますが、蝶の場合はこの方法しかないようです。

鰐塚山でも熱心な人たちが、秋になるとマーキングをするという新聞記事を以前読んだことがあります。

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私が鰐塚山の頂上でこのアサギマダラの写真を撮っているとき、アサギマダラには全く関心を見せないけれど、網を持ってチョウ狙っている人たちがいました。

私が「その網で何を狙っているのですか?」と聞いたら「「タッパンルリシジミですわ」と明るい大きな声で答えてくれました。その人たちとしばらく話しました。

今の時季のこの鰐塚山が狙い目で有名だそうです。

いわゆる「ゼフィルス」を集めている人たちです。ゼフィルスというのは「樹上性のシジミチョウ」のことだそうです。

私が以前このブログに載せたヒサマツミドリシジミもゼフィルスで,この人たちの狙いの一つだそうです。面白い趣味の人とゆっくり話すことができました。

というのが彼らは頂上付近の道路で、じっとそのシジミチョウが現れるのを待っているわけですから、暇でしょうがないのです。私が見ている間には1回も網を振ることはありませんでした。

サカハチチョウ 夏生まれと春生まれは模様が違う?

鰐塚山に車で登り始めてすぐ。3合目付近の道路端には、平地にはない花が現れ始めました。ふさふさした白い尾っぽのようなテリハアカショウマです。

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道路端に次々に現れます。その中の一つに、チョウが止まっているのに気づいて車を止めました。最初イチモンジチョウかなと思ったのは、体の真ん中を白い線が走っているからです。近づいてよく見るとイチモンジチョウではありません。模様が派手なのです。

サカハチチョウの夏型です。宮崎ではそんなに出会うことはありません。

隣県の鹿児島県では絶滅危惧Ⅱになっている位ですから。

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サカハチチョウにはある特徴があります。春に生まれたサカハチチョウと夏に生まれたサカハチチョウでは随分模様が違うのです。

今は7月ですから夏型です。これが夏型の表(おもて)面。

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次は以前、4月6日に撮った春型の表面。

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サカハチチョウは人に止まる習性がありますが、この時も手に止まってなかなか離れようとしませんでした。

次は今回の夏型の裏面。

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そして4月6日の春型の裏面。まず、白帯の大きさが違います。

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サカハチというのはお分かりのように、八の字をひっくり返したような白帯があるからです。