キジ~キジのホロウチ(母衣打)

田舎道を歩いていると、畑に積まれた堆肥のてっぺんにキジが立っていました。

近づいても知らんぷり。

最近よくキジに出会います。増えすぎた感じです。

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だけどよく見ると独特の色合いですね。なんだか仏教の色を感じるのは私だけでしょうか。

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どうも一番高いところで他の者を威嚇しているような感じです。

私のほうを見てケーンと鳴いた後、ドドドと羽ばたきを始めました。

その羽ばたきの激しいこと。

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これがキジのホロウチです。ホロウチは漢字で書くと「母衣打」だそうですが、何か意味がありそうです。

キジは私に「写真なんか撮ってないであっちへ行け。ここは俺の縄張りだぞ」と言っているようです。

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私は「はい分かりました」と言ってその場を立ち去りました。キジの勝ち~。

 

ボウラン~花を見たい

毎年アオバズクが来て子育てしていた、大きなクスノキのある神社に行ってきました。アオバズクがいません。いつもヒナが巣立ってかわいい姿を見せてくれていたのですがどうしたことでしょう。

大きな木に洞{ほら)があって、そこが巣になっていたようです。

双眼鏡でその洞の周囲を見ていると、ボウランがありました。

ボウランというのは、棒のようなランですが、まさしく葉っぱが棒のようです。

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なんだかサボテンの一種のようですが、大きな木などに着生する着生ランです。

花が咲いてないかなと思って双眼鏡で見ましたらありました。

といってもとても高いところに着いていますから、写真撮ってもなかなかうまくいきません。それでも見てください。

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分かりにくいですね。次の写真の右上の花

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が比較的見やすいかな。と言っても唇弁が黒いから分かりずらいです。

花をじっくり見るために、次はも少し近くで撮りたいです。

 

ダルマエビネ~なかなか出会えない花

ユウコクランに会えて、きょうはついていたなあと思って沢を上って尾根状態のところを歩いていました。すると目の前にびっくりするようなランが。

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一目でそれとわかるラン。ダルマエビネです。滅多に見ることはありません。

だいたい南方の植物ですから。

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まだ花が1個しか咲いていません。順番に下から上へ咲いていくようです。

だけどこの1個がなんだか素敵です。満開よりこのほうが好きです。

いいところで出会いました。

ところでなぜ「だるま」なのでしょう。

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この「舌弁」の形がどっしりしているからでしょうね。そう言われるとだるまさんに見えてきました。

もう少し咲いたころ見たいと思いますが、何しろ広い林の中。そこにたどり着けるかどうか自信がありません。

ユウコクラン~幽谷に咲く花

きょうは海でなく山に行きました。

降りそうでしたが降りませんでした。その代り森の中は湿気が多くて、汗びっしょりになりました。

木の生い茂った沢を歩きました。ユウコクランに出会いました。

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名前がいいですね。幽谷蘭。

この時期にしか咲きません。本当に梅雨の湿っぽい時期に咲くのです。

似たものにコクランがありますが、コクランはもう少し季節が後になります。

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ランの花はそれぞれに個性があって面白いです。

いつか「ランの花の顔」展示会をしたいです。

アマサギ~亜麻色の髪の乙女

梅雨の真っただ中。

きょうも雨です。だけど雨の中の鳥見もいいものです。散歩する人も魚釣りをする人も少ないですから、鳥がのんびりしています。

しかし、今の季節は鳥が少ない季節です。探し回ってやっと鳥を見つけました。

 

広い田んぼがたくさんあるところです。代搔き(しろかき)のトラクターが働いていました。代搔きとは、簡単に言うと稲を植える前の水を張った田んぼにトラクターを入れて、トラクターでこね回して土を均一にすることーといえばいいかな。本当はもっと奥深いですけど。

その代搔きで動き回っているトラクターの周辺にたくさんのアマサギがいました。

土を掻きまわしているので土の中のミミズなどが出てきますが、それを狙っているのです。

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 ところで、亜麻色ってどんな色でしょう。黄色がかった淡い褐色とか淡い金色とか言われています。アマサギは確かにそんな色のように見えます。きょうは雨が降っていて、アマサギもびしょぬれです。

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これでは亜麻色の乙女が泣きます。

そうです。亜麻色といえば島谷ひとみさんの歌「亜麻色の髪の乙女」を思い出します。

 

それで依然撮った、雨に濡れていないかわいい写真を2枚見てください。(私の写真倉庫から)

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 アマサギのこの亜麻色は今の季節だけです。

秋になると真っ白になります。

 

アカウミガメ~上陸した足跡

コアジサシの浜の続きです。コアジサシと別れて砂浜を戻っていると、砂浜が崩されたような跡。これは明らかにウミガメの上陸した跡です。

波打ち際から20メートル以上続いています。

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上の写真はは陸側です。下の写真は海側を映しました。

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なんだか畑の耕運機が通った跡みたいです。

大きさを見ていただきたくてもう1枚。

f:id:tonji44:20180604202501j:plain中央付近を左から右に横切った靴跡があります。これで大きさが分かると思います。。

宮崎県に上陸するカメはアカウミガメです。この時期県内で何十回、いや百回以上上陸しているだろうと思います。

夜間、暗いときに上陸して、穴を掘り、100個くらいの卵を産みます。そして卵の上に砂をかけて隠します。卵は2か月くらいで孵化し、子亀がぞろぞろと海に帰っていきます。

私はかつて、昼間上陸したアカウミガメを見たことがあります。それは6月末のことでした。午前中が梅雨の土砂降りで、雲が垂れ込め夜のように暗い日でしたが、天気予報で午後雨が止むようになっていたため、私はいつものとおりアジサシ類を見に砂浜に行きました。予報通り雨が上がりましたので砂浜にいるコアジサシやアジサシなどの写真を撮っていました。ベニアジサシがいて2羽でダンスを始めました。これは面白いと思って、動画に撮っていました。液晶画面を見ているとその中央を何か大きなごみが陸のほうから海のほうに動きます。このごみのようなものは何かと目を上げたら、なんとアカウミガメでした。

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午前中が暗かったので、夜と間違えたみたいです。その時撮った写真が上の写真です。砂を掘ったから甲羅の上が砂だらけ。

私が見ている前を無事海に帰っていきました。

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めでたし、めでたし。

 

 

アジサシ~コアジサシではなくてアジサシ

コアジサシの続きです。だけどコアジサシではなくてアジサシです。

専門的にいうとアジサシ属の中の種名がアジサシです。

100羽くらいが沖に飛び立つのを双眼鏡で追っておりました。するとその中に1羽だけひときわ大きいアジサシ属がいることに気付きました。

羽を広げると明らかにコアジサシと違うのがわかります。くちばしもコアジサシが黄色いのに比べて黒っぽいです。下の写真の前から2番目、羽が大きいのが分かると思います。。

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何だろうと思って写真を撮りますが、遠くてなかなか分かりません。今のカメラは便利

で、写真を撮ってその場でその写真を拡大して見るのです。

下の写真では真中に写っています。

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沖に行ってしばらくすると戻ってきて、砂浜に降り立ちました。

やはりひときわ大きいです。

じっくり観察することができました。種名アジサシです。ハトと同じ位の大きさです。

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今年初めて観察することができましたが、そのうちアジサシの集団もやって来ることでしょう。しかしこのアジサシは宮崎では繁殖しません。関東の方では繁殖の記録があるようです。

 

 

 

 

コアジサシ~夏はやっぱりコアジサシ

きょうの宮崎は梅雨の晴れ間。

なんだか光がまぶしいです。

夏になったらコアジサシ。私の中では決まっています。

コアジサシは宮崎県の海岸の砂浜に今頃やってきて、そこで卵を産み子育てをします。

以前、友達をコアジサシを見に連れていったら、「真っ白いツバメだ」と言いました。そのとおりです。

きょうは海岸の砂浜を見て回りました。なかなか見つかりませんでしたが、やっと見つけました。遠くから見たら100羽以上。

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それにしても気持ちのいい日です。砂浜は誰の足跡もないし、水平線が見えるし、穏やかな波が足元まで打ち寄せてくるし。

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双眼鏡で見てみました。コアジサシではないアジサシ類の可能性があるのですが、見えてる限りコアジサシでした。

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魚をくわえたコアジサシがいます。メスにプレゼントしてプロポーズするのです。

そしてこの海岸の近くの、波の来ない砂の上で産卵するのです。巣は作りません。ちょこっと気持ちだけ砂を掘って、そこに産卵します。だけど私は巣のあるようなところには近づきません。コアジサシがギッ、ギッと言って怒りますから。怒った上に、糞を頭にかけてきます。

 

私は浜に座り込みます。

じっとしているとコアジサシたちは、一斉に海に向かって飛び立ちます。

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空にコアジサシ。

何んともさわやかです。

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飛び立ったコアジサシは、5分もすれば浜に戻ってきます。

沖で小魚を採って食べるのでしょう。

高い所から、海に向かってドボンと飛び込んで、魚を刺して採るのです。

アジを刺して採るからアジサシ・・・鯵刺し。アジサシの中でも小さいからコアジサシ。

コアジサシは海に出て行ったり戻ったり。

私はいつまでもそれを眺めていました。

最後の写真はなんでしょう。何も写っていない??

「砂浜の砂」です。

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カンアオイ~山の植物

ヤマアカガエルの飛び跳ねている森の中に、変わった植物が生えています。

長いハート型の葉っぱが、地面すれすれにたくさんあって踏みつけそうです。

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この変わった葉っぱはカンアオイです。

葉と葉の間の地面に花があるのがわかりますか。

カンアオイは種類がたくさんあります。

 

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どこで見分けるかというと花の外見だけでわかる場合と、花を割ってみて、その中の構造で見分ける場合がるそうです。

このカンアオイはマルミカンアオイだと教わりました。この筒状の中におしべやめしべが入っているのです。

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ヤマアカガエル

きょうも小雨。

だけど、そのうち上がるだろうと思って山に行きました。一人で山を歩くのが好きなのです。いろんな出会いがありますし、何より慣れたら気持ちがいい。

予想通り山に着く頃は雨が上がりました。

キビタキとアカショウビン、サンコウチョウ、アオゲラなどの小鳥がさえずっています。子育て真っ最中の季節ですから、姿はほとんど見れません。ヒナが生まれたら、餌を運ばなければなりませんから、餌を探し回る姿が見られるようになります。今はまだです。

小鳥の声に負けないように、大きな声でキャララッ、キャララッと鳴き続けているのはカエル。

森の中を歩くとよく出会います。足元からぴょこんと跳ねて出てきてじっとしていますから、観察しやすいです。といっても動かないままだったら、枯れ葉色だから見つけにくいのです。

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この森には、とてもこのカエルが多いのですが、アカショウビンなどもこのカエルを餌にします。だからこの森には小鳥も多いのでしょう。

ヤマアカガエルにそっくりなニホンアカガエルというのがいます。

図鑑ではニホンアカガエルのほうが色が薄くて、ヤマアカガエルが濃いのですが、ここの山のカエルは色が薄い。ところが他の特徴はヤマアカガエルなのです。だからたぶんヤマアカガエル。

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間違ってたらごめんなさい。

ヒサマツミドリシジミ~羽化直後

雨の降っている中、小林市に住む友達を訪ねて車で西に走りました。

小林市に近づくにつれ雨が上がり、薄曇りになりました。

用事を済ませた後さてどうしようかと考え、近くの山に車で登り、杉がなくなって常緑樹の森になったので車を止め歩きました。雨上がりの木々は薄曇りの中でもその緑色がなんとも新鮮でした。

足元の枯れ葉から突き出た小さな枯れ枝の上に、何かがいました。

小さなチョウでした。私の親指の爪位しかありません。いわゆるシジミチョウの1種です。羽をたたんでいます。見えているのは裏側になります。その羽の下のほうに赤い丸があります。それ以上分からないのでカメラをそっと近づけ写真を撮って拡大してみました。赤い丸の中に黒い丸もあります。「これは何だか只者のシジミチョウではないような気がする。しっかり写真を撮ろう」と思って写真だけは撮りました。その時は何のシジミチョウかわかりませんでした。

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拡大します。

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羽がどこも傷んでいません。羽化したてのようです。とてもきれいでした。

驚かさないようにそっとその場を離れました。

 

家に帰って図鑑で調べるとヒサマツミドリシジミに行き当たりました。

それなら以前写真を撮ったことがあると思って、私の写真倉庫を検索してみると出てきました。10年位前の写真です。(全くもう物覚えの悪いもので、自分でも呆れます。)その場で思い出せば、もう少し時間をかけてゆっくり観察したのですが。

そして飛び立つところまで見て表側の青色を確認したかった。

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この写真の時期は10月25日となっています。だから羽がとても傷んでいます。

 

 

キンランでした

夢が膨らんで1週間後に行ってみました。

遠くから見るとそのランは沢にひっそりと残っていました。

シカに食べられてはいませんでした。

第一の難関クリア。

さて花の色は・・・白ならササバギンラン、黄色ならキンラン。

・・・・・黄色・・・・

キンランでした。

 

しばらくそこに座り込んでその花と向かい合いました。

5分、10分

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そこにはただ黄色の花があるだけ。

まだ咲き始め。なんと美しいこと。

ササバギンランのほうならいいと思った私の心の曇っていること。

参りました。

 

もしかしてササバギンラン?~祖母傾大崩山系ユネスコパークの植物

始まりは1週間以上前の話です。

ソハヤキトンボソウのある沢に行き、きれいでかわいい姿に感動した私は、その沢にはもしかして、ほかの珍しい植物もあるかもしれないと思いながら、付近を見て回っていました。なんとなく幽玄な沢です。すると一本のランに出会いました。葉が茎を抱いています。ところがまだ花がついていません。

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大きさがわかるように双眼鏡を置いてみました。37センチくらいの高さかな。

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私は考えました。「ソハヤキトンボソウがあるくらいだからこのランは只者ではないはず」

家に帰ってまず宮崎県の絶滅危惧種から調べました。レッドデータブックの最初の絶滅種のところに、ぴったりの植物が出てきました。ササバギンラン。高さ30センチから40センチ、花期は5~6月。宮崎県絶滅。昔はあったけど今はないということです。1984年が最後の記録と書いてありました。私は興奮して植物の友達(花友)にメールで写真を送りました。帰ってきた返事は「キンランかもしれない」・・・・ガガーン。

しかし、あの沢はそんな普通の花があるところではないという私の先入観は消えません。キンランは割と普通にある花だからです。

それで花が咲くと思われる1週間後、一人で祖母傾大崩山系を目指しました。

その時一番心配したのは、シカに食べられているのではないかということでした。その沢でもたくさんのシカの足跡を見ましたし、声も聞いていたからです。

心躍る思いでその沢に着きました。さて結果は

1番ササバギンランだった。

2番キンランだった。

3番シカに食べられて姿がなかった。

さてどれでしょう。結果発表は明日。

ビロードスズメ~ヘビだ!

これなんでしょう。まず写真を見て下さい。

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ヘビ!・・・違います。ヘビそっくりさんです。イモムシです。

家の鉢に植えた植物の葉を食べていました。

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一番右端の垂れた葉っぱに、くっついています。

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こういう感じ。小さいのですが鳥が食べようとしたら「ヘビだ」と逃げるでしょうね。

うまく化けました。これはビロードスズメというガの幼虫のようです。私はまだそのガを見たことがありません。

山奥の小さな虫~ウスイロカモドキサシガメ?

林の中を歩いていると、今度はエビネがありました。だけどもう終わりかけ。花がしぼんでいます。季節が1週間進むだけで状況が刻々と変わっていきます。

と、そのエビネの葉に何やら小さな虫が。わかりますか。右の大きな葉の真ん中手前に乗っています。

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とってもとっても小さい虫。10ミリくらいかな。カマキリを小さくしたような。それよりもナナフシを小さくしたような。目で見るよりも、写真撮ってその場で拡大したほうがよく見えます。

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これは何だかわからいない。

そこで家に帰ってからパソコンで拡大してみてみました。

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昆虫図鑑で調べたり、ネットで調べたり。それでもわからなくて思い出したのが知人で小さな虫のブログを作っている人。

それを順番に見ていったら、ほぼこれだろうというのに行き当たりました。

そのブログは「小さき者たちの世界」

https://tukik.exblog.jp/

これです。この中に出てきました。

虫の名前は「ウスイロカモドキサシガメ」

この人これをどんなにして調べたのだろう。

今度会ったら聞いてみます。

一応名前がわかってすっきり!